ーーまずは木村さんがデビュー以来、熱烈に応援していた平原康多選手が引退を発表されましたね。

　最初に聞いたときは頭が真っ白になって動けなくなっちゃったよ…。ダービー最終日は現地で観戦していたんだけど、平原が負け戦を走り終えて帰っていくときに客席に向かって深くお辞儀したんだよ。普段そんなことしないからどうした？ と思ったけど今考えるとそういうことだったんだなと。

　でもさ、やっぱり思うのは本人はスッキリした感じだったけど絶対「ケガさえなければ」という気持ちはあると思うんだよね。本当のところは本人にしかわからないから憶測にすぎないけど、悔いはあると思うし、俺もケガに苦しまなかった世界線の平原を見てみたかったよ。

　だから俺は簡単に第二の人生頑張って！ とは言えない。言えないけど、こうなってしまった以上は頑張ってほしい。とにかく俺は平原康多という選手を応援できて幸せだったよ。

ーーでは本題に入っていきましょう。木村さんなんと5月1日の高松モーニングで16万車券をドンピシャで的中されていましたね。

　これね〜意外と自信あったんだよね。

ーーまずは圧倒的に人気を被っていた福岡3車ではなく船倉卓郎選手に本命を打った理由を教えてください。

　これはいくつか理由があってね、まずは神開の戦績を見てほしい。ちょくちょく決勝にも乗っていたり力は上位かもしれないけど、だからといって負け戦で無敵な感じではないんだよね。何か突出した一芸があるタイプじゃないから、展開次第で点数が下の選手相手でも取りこぼすこともあるし、付け入るスキはあるよね。

　それでも簡単に3番手があれば5=7になっちゃうのかなと思うけど、今回に関しては土岐の存在が大きいよね。自力屋じゃないから簡単に3番手を譲るようなレースは絶対しないし、神開にとっては都合の悪い存在だよね。

　そして一番の理由が船倉の調子が上向いているように感じたから。前走の岸和田の予選で自力屋でもないのにホームから単騎でカマして2着に残っちゃうんだよ。点数は低いし戦績はガタガタだけどこの2着に光を感じたし、真崎の逃げが使える今回ならと思って本命に指名したよ。

ーー自分なら神開選手のカマシで高比良選手が抜け出す7-5の目を考えてしまいそうですが。

　もちろんその展開も想定していたよ。ただ神開も先行屋では全くないから垂れるかなと思って、そうなれば直線抜け出すタテ型高比良と切り替えて突っ込む船倉で3=7っていう目になると考えたよ。

ーー買い目を見ると3-4は書いているのに4-3は書いていないですよね。このあたりの理由も教えてください。

　土岐は本来超タテ型。古い話だけどバリバリ強かった時の永井清史の捲りに同着まで迫っちゃたりね。そこまで昔の話じゃなくても去年くらいまでは初日特選常連だったし、3番手からでもバンバン突き抜けてたタイプ。ただ最近は不調なのか以前ほどのタテは無いし、反対に船倉はタテが冴えているし、土岐がアタマまで突き抜けられるイメージは湧かなかったな。だからそこの折り返しはやめたんだよ。

ーーでは実際に答え合わせをしていきましょう。

　(真崎が神開を切る、土岐が3番手を確保)

　神開はすんなり引いたね。この感じだといいタイミングでカマされてそのまま5＝7になっちゃうかもと思ったよね。

　(ホームから神開がカマシ、高比良が土岐に捌かれる)

　これはちょっと思いもよらぬアクシデントだった。土岐の動きは完全に3番手の仕事だよね(笑)。

　(最後の直線、裸逃げの神開を船倉が捕まえて1着)

　船倉は神開を追いかける時も明らかに余裕があるよね。やっぱり全然79点の脚ではないよ。

ーー結果3連単の配当は1617倍、木村さんの払い戻しは160万円超えでした。お見事です。

　うーん、でもこれは俺からしたら1617倍もつく組み合わせではないんだよな。なんでこんなについたんだろ？

ーー月初のモーニング第1Rで普段以上に人気の目に投票が集まったのかもしれません。

　あ、なるほどね！ それはそうかも。(売り上げを見る)え、最終より1Rのほうが倍近く売れてるじゃん！ これは今後何かの役に立つかもね。俺も勉強になったよ(笑)。

ーー最後に船倉選手のように点数以上のタテ脚を秘めているイメージの選手が他にいれば教えてください。

　それこそ我らが埼玉の山信田学、あと最近はあまり冴えないけど奥谷広巳とかね。S級だと川津悠揮、西田雅志あたりの突っ込みは常に気を付けたいよね。

質問コーナー

Q.KEIRIN ADVANCEを実際に見てどう思いましたか？

ーーこれは使えない回答になりそうな予感が…。

　いや、意外とそんなことないと思うよ。個人の感想としてはそりゃ漢字の競輪と比較したらつまらないですよ。でもよく考えたら競技として全くの別物すぎるからそもそも比較することがおかしいかもしれないね。

　ただ、じゃあ新規層を取り入れてここからどうするのか。漢字の競輪に魅力を感じてもらえるような施策を実施するのか、それともアドバンスを発展させていく方向なのか、どんなビジョンが見えているのかは少し気になるところだよね。

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