2021/08/29 (日) 12:00 8
競輪界では知らない者がいないヤマコウこと山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。
こんにちは。ヤマコウです。小田原競輪開設72周年記念北条早雲杯争奪戦決勝メンバーが出揃いました。
①松井宏佑(神奈川・113期)ー④田中晴基(千葉・90期)
②守澤太志(秋田・96期)ー⑤佐藤友和(岩手・88期)
⑨清水裕友(山口・105期)ー③柏野智典(岡山・88期)
⑦佐々木豪(愛媛・109期)ー⑧久米良(徳島・96期)
⑥石塚輪太郎(和歌山・105期)
ラインの先頭選手はオールスター競輪で惨敗し、立て直しに成功した選手ばかりです。特に⑨清水裕友は立て直しに時間がかかると思っていましたが、初日から積極的なレーススタイルが功を奏し決勝まで駒を進めました。
ラインが出来る自力のライバルは①松井と⑦佐々木です。①松井の初日特選は8番手から2周かまし、2次予選、準決共に前受けから打鐘かましで結果を出しています。
⑦佐々木の1次予選は前受けから突っ張り先行2次予選は前受けから打鐘かましです。準決は後ろ中団から好位を狙いに行きますが阻まれ8番手まくり。どの選手も、スピードを乗せてもらって仕掛ける選手たちです。トップスピードの強化がいかに大切かが分かってもらえると思います。
では、自力選手の中で格上の⑨清水はどの位置からレースを進めるでしょうか?
彼は好位を取ってからのまくりが勝ちパターンなので初手の理想は中団だと思います。前を取るのは連日かましが決まっている①松井です。そうすると後ろ攻めは⑦佐々木になります。②守澤は前中団か後ろ中団で最終ホーム3番手を狙うと思います。
S.①④ ②⑤ ⑨③ ⑥ ⑦⑧
この初手だったら、⑨清水は⑦佐々木を出させてまず中団狙いです。
←①④ ②⑤
2周.⑦⑧ ⑨③ ⑥
②守澤は①松井のかましに賭けると思います。下手に中団を取りに行ったら、松井のかましに対処できないからです。④田中のところにも競りには行かないと思います。田中は地味ですが横の動きは上手いし下手したら共倒れになる可能性が高い。復調してきたとはいえ、⑦佐々木が①松井を併せるのは難しいと思います。
←⑨③
H.①④ ②⑤ ⑥
⑦⑧
⑨清水の仕掛けるチャンスは最終ホームしかありません。そこを逃すと②守澤や④田中のブロックが待っているからです。
← ⑨③
B.①④ ②⑤ ⑥ ⑦⑧
今節の①松井のかまし先行を⑨清水がまくるのは至難の業。優勝は①松井から
1ー4=239
郡司浩平が出場していれば人気は郡司に集まったことでしょう。しかし、欠場になったので①松井は地元のプレッシャーを背負いながら決勝まで駒を進めていたと思います。ですが、ここ一番で勝負強いのは昨年の平塚ヤングGP優勝で実証済み。結果を出せるかどうか注目したいと思います。
そして今節、④田中は「追い込み宣言」をしてこのシリーズを戦っています。彼の性格から「まくりに来る選手は絶対止めよう」と思っているはず。④田中が大きくブロックした時②守澤は内を狙っているでしょう。
穴目は
2ー135ー13568
②守澤の出来も超抜なだけにコースが開けば十分チャンスはあると思います。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。