2025/03/20 (木) 08:00 3
脇本雄太が全日本選抜を制覇し、近畿勢の勢いが加速したことは疑いようがない。古性優作は単騎でも勝負になるが、寺崎浩平らは地区の結束力に支えられる面が大きい。全日本選抜競輪では近畿勢の連係が際立っていた。GIはやはり地区の結束と連係が勝敗を左右する。
次なる舞台ウィナーズだが、まだ始まったばかりで近畿勢の一強で終わるとは思えない。他地区の反撃は必至だ。まず、関東勢は眞杉匠を中心に若手が台頭。ベテラン勢の経験値が加われば、近畿勢と互角に渡り合えるだろう。
さらに南関勢は名古屋記念で見せたように、郡司浩平と深谷知広の両輪が噛み合い他の選手たちの連係があれば脅威となる。中四国勢は松浦悠士、清水裕友、犬伏湧也の連係が生命線だ。さらにナショナルチームの中野慎詞と太田海也にも注目していきたい。
いずれにせよ、全日本選抜同様にスタート争いが勝敗を大きく左右する。枠順も重要だが、スタート技術も問われる。内枠有利は間違いないが、スタートで後手を踏めば意味がない。ウィナーズでは各地区の思惑が激しくぶつかり合うだろう。近畿勢の勢いを止めるために、他地区がどのような戦略を立てるのか。選手の調子や当日のコンディションも勝敗を左右するし、目が離せない戦いとなる。
さて、妄想を演出する選手はいるのか? これだけ自力型が揃うと追い込み陣は厳しいように思うが、目標に欠く事は少ないだろう。暖かくなれば、大森慶一の出番だろ! それに河野通孝、岩津裕介、もちろん竹内智彦も挙げておかねば! 機動型が多く、それぞれのレースで早い展開がありそうだし激戦必至だ。
初日の妄想レースは迷ったが、11Rの特選を検討してみたい。力で決まりそうなメンバーだが、果たして決まるのか? まずは並びから。①石原颯-⑨岩津裕介の瀬戸内コンビ、⑦青野将大-②郡司浩平の神奈川コンビ、③脇本雄太-⑧高久保雄介で近畿コンビ、⑤新山響平-⑥佐藤博紀の東北コンビ、単騎④大矢崇弘の細切れ戦になっている。初手はスタート早い佐藤が取ると新山が前受けから。この後は郡司が取り、青野は枠なりで石原、脇本と続く。大矢は中団から(⇐⑤⑥・④・⑦②・①⑨・③⑧)。
この並びなら新山は突っ張り先行に打ってでる。押さえに行く石原は突っ張られ出ることが難しい。そこを青野がかまし、郡司が抜け出す。力で脇本が強襲し②=③、青野が不発でも郡司が自力に転じ新山との②=⑤、新山マークの佐藤の流れ込み⑤-⑥までを本線とみる。
では本題の妄想へ話を進めるとすっかね。初手は郡司がスタートを決めて青野が前受けから。ここを石原が追う。青野は押さえにくる新山を突っ張る。新山が無理せずに下がれば、後は脇本を警戒するだけになる。
そこに隙が生まれれば好調石原が一気にかまし岩津の出番。もちろん石原の残り⑨-①は必要になるが、S班の郡司、脇本、新山を絡め②③⑨⑤ボックスで手堅くいく手はあるが、ここは思いきって「岩津-全-全」で高配当を狙って妄想〆にするべ。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。