ーー昨年のグランプリの予想はズバリでした。

「予想を見て車券を買ったよ」と言ってくれたファンの方がいて嬉しかったです。一年を締めくくる大きなレースでお客さまの車券に貢献ができたので「終わりよければ全てよし！」でしたね(笑)。

ーー今回の「全日本選抜競輪」の舞台は豊橋競輪場です。豊橋といえば独特なポスターで有名です。

　地元の選手がモデルとして起用されているポスターが私は大好きで、映画やドラマのワンシーンのパロディになっていてめちゃくちゃ面白いです。そのパロディポスターは、全シリーズが競輪場の選手宿舎食堂に飾られてるんです。端から端まで眺めて「さすが豊橋さんだな〜」って感心していた思い出が印象的でした。

ーー高木さんも現役時代デビューして間もなく、ポスターのモデルを務めていました。

「あのポスターを見てファンになったよ」と言ってくださった方もいたので、私の場合ポスター出演のお話はありがたかったです。最近はガールズケイリンのポスターを見かけることが少なくなりましたね。新人のガールズ選手が目立つチャンスはなかなかないので、名前を覚えてもらえるきっかけにも、頑張るモチベーションにもなるので、また復活してほしいと思っています。

ーー豊橋はどんなバンクなのでしょうか？

　現役時代にあまり走ってはいなかったのですが、ひと言で言うと冬は“やばい”ですよ(笑)。なにが“やばい”のかというと、風が強くて冷たくて、夏と全く違うめちゃくちゃ重たいバンクになります。夏の豊橋バンクは薄手でひらひらのレースカーテンに向かって走って突破していく感覚なのですが、冬の豊橋バンクは舞台に設置されている重い幕のようなカーテン(緞帳)に向かって走って突破していく感覚に近いです。現役時代に冬の豊橋にレースで呼ばれると「風が強くて大変そうだね…」と選手同士で毎回話題になるほどです(笑)。

ーー冬の豊橋バンクはどういう選手が有利になりますか？

　タイプでいうとパワー系の走りをする選手ですね。脚質はあまり気にしなくて良いと思います。もちろん先行選手はズブズブになりやすいとは思いますが、だからといって(他のラインが)捲りに構えすぎて後ろでゴチャついてしまうと前が残るケースもありますし、一概に先行不利とは断定できないです。

ーー今回の注目選手を教えて下さい。

　郡司浩平選手に注目しています。郡司選手は昨年のこの大会で優勝し、早々にS班に返り咲きました。2025年は“記念”で連続優勝を飾り、好スタートを切って今回のGIに臨みます。選手によって得意な季節ってあると思いますが、郡司選手は“冬”というイメージですよね。実際、全日本選抜競輪(2月開催)を2回、競輪祭(11月開催)を優勝しています。好調なタイミングでGIがめぐってくる“運”もプラス要素ですし、今回もチャンスは十分だと思っています。

ーー他に注目している選手はいますか？

　トリッキーな動きをする伊藤颯馬選手、伊藤旭選手については毎回注目しています。最近では神奈川の佐々木眞也選手にも注目しています。佐々木選手は位置を取りに行けるレースが増え、なおかつ自力を出せるところが良いですよね。テクニックで位置取って横の動きをしながら、自分で捲りに行くスタイルに私は魅力を感じています。今回も面白くかき乱してくれるのではないかと期待しています。

ーーその注目3選手にとって重たい冬の豊橋バンクはいかがですか？

　寒いとどうしても身体の動きが変わってきたりしますけど、期待した選手たちには“若いパワー”で乗り切ってほしいなと思います(笑)。重たいバンクで番手の選手が“つきバテ”するような展開が生まれると、位置を取れる選手にとっては絶好のチャンスとなりますから、車券的にも楽しくなってくると思いますよ。

ーー今回のメンバーで冬の豊橋バンクが最も合いそうな選手はいますか？

　清水裕友選手です。冬の重たいバンクが大好きで、前回豊橋で行われた全日本選抜競輪の優勝者ですね。状態がどこまで戻っているかわからないですけど、冬の豊橋と言えば清水選手だと思います。

ーーどんな車券戦略でこのGIを攻略していきますか？

　レースを見てみないとわかりませんが、風が強くなって先行選手が全員崩れてラインがバラバラになった時の「番手-番手-番手BOX」とか、他のラインが散ってしまった時の先行ラインからの「2-3番手折り返し」は穴が出るときの面白い車券の買い方だと思います。まずは初日前半のレースで、風速など状況をしっかりと見極めて予想をしていきます。