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前田睦生の感情移入

【KEIRINグランプリ】前夜祭での車番、並び発表…スポーツ新聞も腹をくくって

2024/12/24 (火) 12:00 30

前夜祭の様子

前夜祭で車番も並びも発表

 静岡競輪場で開催される大阪・関西万博協賛「KEIRINグランプリ2024(GP)」「ガールズグランプリ2024」の共同会見と前夜祭が12月17日に都内で行われた。久しぶりに前夜祭の取材に行けたのだが、盛り上がりは最高潮だった。年に一度、グランプリを祝す空気は、厳かだ

 グランプリの車番発表、並びの表明には毎年色んなパターンがあって、今年は共同会見が先に行われ、車番を決定し、選手たちはそこでコメントを出した。私が属しているスポーツ新聞という立場としては、そこで紙面を作る材料が出るので、タイミング的にありがたい。

 だが、前夜祭で、多くのファンの前で、車番が決まったこともある。選ぶケース、くじのケース。緊張と高揚が爆発する瞬間で、もうスポーツ新聞も腹をくくって、前夜祭ですべてを取材し、原稿を書く。時間帯的に〆切に追われることになるが、盛り上がりをより高めるためには、爆裂前夜祭スタイルで決めていいと思う。

 もちろん、「どうにも決められない!」と、開催の前検日まで考えるケースも、ありだ。

スポーツ新聞は終わったのか

共同会見での写真撮影

 逆からの話になってしまうが、ヤンググランプリが置き去りにしている感じがあって、会場に来るまではしないまでも、VTRなどでの並び発表も同じ日に行えばよいと思う。ヤンググランプリだけ前検日にバタバタと並びを聞いてからの予想になるので、スポーツ新聞的には余裕ができる。

 公営競技の情報を伝える最先鋒として、スポーツ新聞は重要な役割を果たしてきた。ネット全盛になった時代にあって、「スポーツ新聞はいらない」という声も聞くが、過去、積み上げてきたものもあり、その中で仕事をしている私としては「受け継いでいかないといけない」と責任も感じている。

 取材のルールや、開催進行と合わせて、日々の業務を執務の側とともに公営競技を支えてきたのがスポーツ新聞や専門紙だ。公正安全とともに、また、ファンが喜び、長くその競技を楽しめるように、数多の先人たちの仕事がある。もう、私も後に受け継ぐ年齢になってきたので、強調したい。

ファンに伝えられなかった今年の重要シーン

尾方真生が1本の毛糸を作品にするように、競輪も続く

 取材ゾーンが規制され、特に悲しいと思っているのが、検車場での写真撮影ができないことだ。2月奈良記念(春日賞争覇戦)の決勝に近畿の選手が7人勝ち上がった。

 並び、どうするの?

 そしてファンは「どうやって決めているの?」と思っている。検車場での取材が可能だった時には、どんな表情で、誰と誰が、という写真を撮影し、ファンに届けることができた。奈良の時には、7人が立った状態で円を作り、ものすごく真剣な雰囲気で、それぞれの戦い方を決めていた。

 通路の外からその光景を見ることはできたが、それをファンに届けることができなかったのが今年一番の痛恨事である。写真、その一葉で、選手たちの緊迫感を届けられたはず。そんな思いの残る一年が、終わろうとしている。けれども何も終わらないし、やるべきことは連綿と続く。

岩本俊介は晴れ舞台を楽しんだ


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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