2024/12/27 (金) 12:00 23
静岡競輪場で大阪・関西万博協賛「KEIRINグランプリ2024(GP)」「ガールズグランプリ2024(GP)」「ヤンググランプリ2024(GII)」に寺内大吉記念杯(FⅠ)が12月28〜30日に開催される。一年間、壮絶としか言いようのない戦いがあり、その末に大一番がある。
中でも今年はS班陥落となっていた平原康多(42歳・埼玉=87期)が、カムバックを決めたことは大きな感動を呼んだ。5月いわき平ダービーを制し、涙をこらえることができなかった。吉田拓矢(29歳・茨城=107期)のスペシャルな仕掛けに乗って抜け出したわけだが、今年のようにケガばかりでなく、しっかりレースを積み重ねるだけで、より大きな結果もあるだろう。
無論、今回のグランプリでも…だ。14回目の挑戦。そのシーン、多くの人が待っている。
6月岸和田のガールズGIパールカップを石井貴子(34歳・千葉=106期)が制した時も、『感動』としか言いようがなかった。本人が「信じられない」と振り返ったわけだが、大ケガのことを思えば、本当に信じられない。
復帰するだけでも、復帰して優勝して、GIに出て、GIを優勝!
どんなケガや困難にも負けない姿を見せてくれた。ガールズケイリンの歴史の重要な1ページになった。人間の輝き、強さがまばゆかったシーンだった。グランプリでは2018年、2019年と2年連続2着だったこともある…。
一年をゆらゆらと振り返りたい気持ちだが、あまり時間がない。児玉碧衣(29歳・福岡=108期)が4月地元の久留米でオールガールズクラシック(GI)を優勝した時も感動的だった…のだが…。
「やだ! もう! カメムシ、無理!」
ナイター開催で、優勝者のインタビュー撮影の時にカメムシが撮影ゾーンに飛んできていた。椅子に座って待機していたアオイちゃんだが、少女のように飛び上がり上述のように叫んでいた。
現地取材班から優勝インタビューとともにその様子が送られてきて、とても愛らしかった。愛くるしい姿だった。グランプリを優勝したらせっかくだからそのシーンも公開しよう、と夏ごろに話したことを思い出した。4回目の優勝とあれば、インタビュー動画につけないといけないな。
競輪選手にはみんなにドラマがある。レースは過酷で練習もハード。文字通り命を懸けて、命を削って勝負している。
ドラマしかない。
華やかな舞台に立てる選手は限られてしまうが、全国で日々、その戦いは行われている。まずは静岡の3日間、競輪を楽しめることに感謝しながら見ていきたい。
X(旧 Twitter)でも競輪のこぼれ話をツイート中
前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。