2024/12/25 (水) 19:00 10
netkeirinをご覧の皆さんこんにちは、金子貴志です。
早いものでもう年末となりました。今回はこの一年の振り返りと、盟友である山田二三補さんのセカンドキャリアについて書いていきます。
振り返ればあっという間の1年でした。7月からは久しぶりのA級戦を走っています。S級とA級ではスピードも駆け引きも違うので不安がありましたが、走っていくうちに対応できるようになり、1着を取ることもできました。
先日の地元・豊橋ミッドナイトでは決勝2着となり、A級で走り始めてから最もよい結果を残すことができました。岩井芯君がとても強く、堀兼壽君は自分も自力選手であるうえに岩井君と同県なのに初日から「番手を回ってください」と言ってくれました。初日は断って3番手を回りましたが、決勝では堀君が「どうしても前を回ってほしい」ということを言ってくれて、その気持ちがとても嬉しく、岩井君の番手を回らせてもらいました。さらに4番手を地元の村上卓茂君が回り、中部でまとまって地元を盛り立ててくれたのが嬉しかったです。中部の絆がより深まった開催で、今後のレースでもラインでの役割をしっかり果たせるように日々の準備を欠かさず、力に変えていきたいです。
腰痛との付き合い方も少しずつわかってきて、ケアと練習の方法が定まってきました。ウエイトトレーニングの成果も出てきて、いろんなことが良い方に噛み合ってきたように感じます。苦しんだ時期があったからこそ視野が広がり、冷静な判断もできるようになりました。
25年後期のS級点には少し届かなそうですが、中盤で下げてしまった点数を地元で巻き返すこともできて、いい勉強になったとプラスに捉えているので来年が楽しみです。今年得た経験を活かして、来年はデビューした新人の頃のような気持ちで頑張りたいと思っています。
11月に私の盟友・山田二三補さんがキッチンカーをオープンしました。豊橋競輪場でおなじみのキッチンカーの『輪蛸』さんに弟子入りして、営業を受け継ぐことになったのです。
56歳にして未経験の分野に挑戦するのは凄いことです。もともと安定した仕事に就くことも考えていて、難しい決断だったと思います。そして“セカンドキャリア”としてキッチンカーを選んだ山田さんは弱音を一切吐きませんでした。
選手時代も引退の危機にさらされながらデッドリフトを2年間続け、快進撃を演じた努力家で、“継続は力なり”を体現した山田さん。外食産業は厳しい世界と理解しながら、新しい世界へ漕ぎ出しました。
そして迎えたプレオープン。山田さんはまさに“職人の顔”をしていました。プレオープンでは以前から『輪蛸』が出店していた場所や、山田さん自身が営業して開拓した場所を回って実際に調理し、販売しました。
豊橋競輪場でも出店すると、本当にたくさんのお客さんが来てくれて、完売してしまうほど大盛況でした。現役選手の内藤久文君と佐々木恵理さんが飛び入りで盛り付けや会計を手伝い、山田さんはひたすらたこ焼きを焼きながら二人をリードしていました。
「山田さんが焼くたこ焼きならまた食べに来るよ」と言うお客さんも大勢いました。中には周りの人に配ると言って、一人で10パック買っていった人もいました。
山田さんは人を楽しませることが上手で、周りの人を笑顔にさせる天才です。キッチンカーに並ぶお客さんたちも楽しそうにしていて、選手時代から山田さんのやってきたことが今につながっていると感じました。
本格オープンは11月30日、豊橋競輪場でした。山田さんはお世話になった競輪場でオープンするとずっと決めていたそうです。「コツコツと粘り強く、成功することが輪蛸の生みの親である神村さんと、競輪界に対する恩返しだから」とも話していました。
そして開店するやいなや多くのお客さんが詰めかけ、大盛況でした。対面販売ならではのお客さんとの触れ合いも楽しかったそうです。山田さんは「これだけ多くのお客さんが来てくれて本当に嬉しい。やって良かった」と感激していました。
「これがあるのも家族やいろんな人の支えがあるからこそだ」と新しい挑戦を後押ししてくれた周囲への感謝を口にした山田さん。奥さんや娘さんが店頭にサポートに来てくれることもあり、ご家族も山田さんの挑戦を支えています。
肝心の山田さんのたこ焼きの味ですが、本当に美味しいですよ。もともと“フワトロ”で売っていた『輪蛸』の味そのままに、トロトロの中身はアツアツで、冬場にはたまりません。お客さんからも「美味しい」と評判で、同じお客さんが同じ日に2度買いに来たり、子どもがひとりで買いに来たりと、山田さんも日々やりがいを感じているようです。
年末のグランプリでは場外発売をしている豊橋競輪場に出店する予定だそうです。さらに来年2月にはGI全日本選抜が豊橋で開催されます。その時にも出店されますので、ぜひ山田さんのたこ焼きを食べに来てください。
プレオープンからオープンまではユーチューブにも詳しくアップしているので、ぜひ見てくださいね。これからも山田さんの挑戦を追いかけていきたいと思います。
最後になりますが今年1年、私のコラムにお付き合いいただき、本当にありがとうございました。
競輪ファンだけでなく、競輪を知らない人たちが少しでも競輪に興味を持ってもらえるように、これからも頑張っていきます。皆さん、良いお年をお迎えください。
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Kaneko Takashi
愛知県豊橋市出身。日本競輪学校75期卒。2013年には寛仁親王牌と競輪祭を制し、同年のKEIRINグランプリでも頂点に。通算勝利数は500を超え、さらには自転車競技スプリント種目でも国内外で輝かしい成績を収めている。またYoutubeをはじめSNSでの発信を精力的に行い、キッチンカーと選手でコラボするなどホームバンクの盛り上げにも貢献。ファンを楽しませることを念頭に置き、レース外でも活発に動く中部地区の兄貴的存在。