アプリ限定 2024/12/18 (水) 18:00 7
2024年も残すところあとわずか。今年も春夏秋冬、日本全国で熱戦が繰り広げられてきたが、そのたびに車券ファンは泣いたり笑ったり大忙しだったに違いない。今回は『年忘れ特別企画』として、netkeirinの予想コラムやウマい車券で活躍する解説者、記者、予想家のみなさんに「2024年“痛恨の失敗談”」をご披露いただいた。プロに尋ねるのはいささか失礼な企画内容ではあったが、3名の凄腕たちは快く筆を走らせてくれた。シリーズ企画として3日連続で公開していく。初回となる今回は「妄想先取りレース実況」を連載中の吉井秀仁氏の痛恨のミスをご覧ください。(構成:netkeirin編集部)
いつも思うんだが、歳を重ねる度に一年があっという間に過ぎていく気がしてならねえ。なんでだろうね? 不思議だよ。今年も忙しなく過ぎたが、悲喜こもごもいろんな出来事があった。特に悲しい出来事は同期が4人も天に召されちまったことにつきる! まだまだあっちに行く歳じゃねえと思っていたが、寿命ってやつだったのかね。その分残った俺たちがこの世を存分に満喫し、いつかあの世に行ったら自慢話をしてやっから迷わず成仏してくんな。合掌。ってわけで、湿った話はこれでおしまい。
さて、いよいよグランプリが間近に迫ってきたが、今回は編集部さんから「車券でしくじった話」を教えて欲しいと頼まれた。“しくじり”なんて、しょっちゅうやらかしてるし、どれを語るか迷っちまう。まあ、ウマくやった話も含めて喜んで語ってみるべ。そんじゃ、先に自慢話から時系列で行くぞ。折角だから大ホームランをかっ飛ばしたやつを披露!
6月の高松宮記念杯の5日目の8Rにオレと“車券相性バッチリ”の竹内智彦様の登場。人気はS班松浦悠士の一本かぶり。逃げイチってメンバーだったんだよな。松浦悠士-小倉竜二-渡部哲男、椎木尾拓哉-山口富生、和田健太郎-内藤秀久、阿部力也-竹内智彦。「もう大本命松浦の逃げイチだし仕方ねえ」と記者席の穴予想勢からは諦めモードがプンプン。
レース前の晩、みんなで一杯呑みながらオレは「阿部力也が逃げっから本命はト·モ·ヒ·コ-タ·ケ·ウ·チ」と豪語していた。翌日記者さんに「ホントにタケウチでいくのか」と念押しされ、一瞬ビビったが貫き、「竹内智彦-全-全」で大穴GET(^3^)/ 周りは「スゲー!」と羨望の眼差し!と思いきや、あきれ果てているのか? 微妙な空気が漂ってたっけ(笑)。でも車券相性ってのは本当にあるんだよね。
それと、川崎GIIIの最終日1Rだよ。オレは金田涼馬を狙い澄ましていた。根拠はたとえ負け戦でも、地元戦ってのは勝ちたい気持ちが誰よりも勝るからだ。金田の脚質はダッシュ系だし、得意のまくりで決着をつけてくれるはずだと決め打ちした。レースは金田が前受けで田村大が押さえ逃げる。笠松将太に中団を取られピンチだったが、すかさず巻き返し田村ラインの後を取ってまくり快勝。読みどおりの展開で心も懐も大満足。カミサンに内緒のお宝ができたし、その日はニコニコしっぱなしだったね。
さてこの勢いで寛仁親王牌に乗り込んだったってわけだ。いつものルーティンで弥彦神社をお参りし、心置きなく車券に精を出すが、どうも芳しくない。
懐にはまだまだ余裕があり“イケイケドンドン”ってなもんで勝負勝負を繰り返す。だがテンコシャンコが続き、やや意気消沈気味にはなっていた。すると地元の人がお薦めスポットは弥彦神社の脇にあると教えてくれた。その名も“勝神社”だ。「勝神社でお参りしたら勝ち組になれる」と御託宣を賜ったわけだ。それじゃ行くべと朝早く勝神社で念入りにお参り。心身をリフレッシュし、決勝戦で挽回をもくろみ大勝負!
オレの予想は「枠なりで近畿の後を追うのは郡司しかいねえし、新山は突っ張られる。寺崎が逃げて脇本でどうしようもねえ。古性の援護があれば鬼に金棒」と完全に決めつけた。眞杉も乗ってねえし、『脇本のところに絡む選手は皆無』だと決めつけた。勝負車券は脇本-古性に小原を大本線に大枚はたいて勝負。押さえに3着を郡司にあとは少し流した。待てよ? と思い直して脇本の頭に3着古性のハサミ車券を買い足し勝負。この予想が2024年の痛恨のミス! 哀れな結果にトホホ。
そのままハズレ車券をポケットに押し込み、帰宅後にズボンを洗濯カゴに放り込んだ。翌日ハズレ車券の存在がカミサンにバレてしまうというおまけ付き(いつものコラムにバレた話は書いたべ笑)。振り返れば川崎GIIIで儲けた分を『カミサン大明神』にお裾分けしとけば、こんな結果は招かなかったのかも。
グランプリの季節だが、2022年にもデカいしくじりがある。2022年は「新山の逃げで東北連係だが、すんなりいくはずがねえ」と読んだ。ワッキー、古性を大本線に勝負。郡司の3着を本線に少し流した。前売りで買って帰宅し、テレビで観戦し見事ゲット。「良い正月が迎えられる!」とほくそ笑んでいた。その晩は祝杯をあげ、当たり車券とハズレ車券の仕分け作業をやり、財布に仕舞い込んだ。ところが呑みすぎたのが仇に。正月に払い戻そうと松戸へ行ったら大きく勝負したはずの当たり車券が見当たらねえ。酔っぱらって仕分けした時に当たり車券をゴミ箱にぶち込んだ意外に考えられん。
こんな感じで“しくじり”を挙げ始めればキリがねえ。マークシートに当該レースと思い込み次のレースにマークしたこともある。思い通りの結果に喜び、ホクホクの気持ちで払戻しに行き、そこで気がつく始末。『確定してないレース』だと!トホホ…! 読者のみなさんへの注意喚起と年末の勝利を祈願して、自分への戒めを込めて格言で締める!
「しっかり車券は確認をしろ!」
「身の丈にあった勝負で競輪を楽しめ!」
「小欲を持って足るを知る!」
これで今年残りも来年も行ってみるか! うーん、それってできるんだべか?(自信なし笑)
netkeirin取材スタッフ
Interview staff
netkeirin取材スタッフがお届けするエンタメコーナー。競輪の面白さをお伝えするため、既成概念を打ち破るコンテンツをお届けします。