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鈴木誠のハイブリッド展望

【ひろしまピースカップ予想】決勝は中国ラインVS北日本ラインの二分戦! 注目はレースの主導権をかけたスタート争い! ゴール前ではSS班の争いも?

2024/12/15 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は玉野競輪場で開催されているひろしまピースカップの決勝レース展望です。

太田VS新山の先行争いの間隙を縫って、浮上してくるのは単騎の3選手!

 前回のコラムで、松山競輪場の食事が全国1位の味と書きましたが、大会での結果も含めて、全国で1位と言っていいほどに好きな競輪場が玉野競輪場です。

 玉野競輪場がホームバンクだった三宅勝彦さん(54期)と仲が良かったので、毎年、夏になると玉野競輪場へと出向いて、合宿がてら、リフレッシュを図っていました。

 当時の玉野競輪場は昔のスタンドと選手宿舎しかない場所でした。それだけに午前は練習、午後は三宅さんの計らいでマリンスポーツ(笑)と、純粋に打ち込むことができました。

 玉野競輪場には現役引退後、一度だけ解説で呼んでもらいましたが、その時は「KEIRIN HOTEL10」がオープンする前となります。

 また、玉野競輪場に行く機会を、仕事だけでなくプライベートでも作りたいです。その時には「KEIRIN HOTEL10」に宿泊したり、三宅さんの所有するボートで無人島巡りもしてみたいです。

 その玉野競輪場をホームバンクにしているのが、【ひろしまピースカップ】の決勝に進んできた太田海也選手です。また、改修工事が行われている、広島競輪場の代替開催でもあり、同じく決勝に名を連ねた松浦悠士選手や池田良選手には地元記念ともなります。

 太田選手、松浦選手、池田選手の中国ラインの3名は、3日目の準決勝でもラインを組んでおり、決勝も同じ並び(⑦太田選手-①松浦選手-⑥池田選手)となりました。

 そのラインに対抗するのが、今年のケイリングランプリへの出場が決まっている、⑨新山響平選手がラインを牽引する北日本ライン。後ろは②菅田壱道選手-⑤渡部幸訓選手となりました。

 ③山田庸平選手、④佐々木眞也選手、⑧鈴木玄人選手は単騎でのレースを選択。決勝は中国ラインと北日本ラインの二分戦になりました。

 太田選手、新山選手ともにレーススタイルが徹底先行であり、ここでも前を取ったラインの突っ張り先行が濃厚です。1番車が松浦選手となっただけに、太田選手がレースの主導権を握るかのように見えます。

 ただ、2番車の菅田選手もスタートが速く、どちらのラインが前受けをするかが、ポイントとなってきます。

 まずは太田選手が前受けをした場合ですが、その場合、新山選手は4番手に入るのではなく、7番手まで下げるプランもあります。それは単騎の3人からすると、捲っていく北日本ラインの後ろよりも、突っ張っていく中国ラインの後ろにいた方が勝機があるからです。

 また、新山選手が4番手となった場合だと、後方となった単騎の選手たちはジャンが鳴った後に太田選手の位置まで踏み上げていくのではなく、新山選手の横で待機するはずです。

 こうなると包まれた新山選手は、一度、引いてからの捲りともなってしまうだけに、ならば、最初から7番手にいた方がレースがしやすいとも言えます。

 準決勝での太田選手は、残り2周を突っ張っていきながら、ゴール前で松浦選手がキリギリ交わすのがやっとと言える走りを見せていました。ホームバンクでの決勝とはなりましたが、ここでもラインから優勝者を出す走りをしてくると見ています。

 ただ、その太田選手のスピードを凌駕しているのが、今大会の新山選手の好調ぶりです。初日の特選では先行した太田選手-松浦選手の3番手から捲っての勝利。準決勝でも四国ライン2車の後ろから、特選を再現するようなレースを見せていたなど、捲りに構えても強いのが今の新山選手です。

 7番車と言えども、前を走っている単騎の3人はバラバラのタイミングで動き出していくだけに、隊列が短くなったところをの捲っていけば、太田選手を交わせると見ています。

 新山選手が前受けをした場合でも、北日本ラインの優位性は変わりません。それは、新山選手の好調さもありますが、捲りに構えた太田選手は、先行ほどの強さが無いからです。

 中国ラインが不発となれば、北日本ラインの後ろにいる単騎勢が車券に絡んできます。その場合、昨年の大会を優勝した、山田選手の連覇の可能性も出てきます。

 印としては◎松浦選手、〇新山選手としますが、ゴール前で現在のSS班2人の争いになるとの見方であり、3連単でも裏表は抑えておくべきでしょう。△は菅田選手、×は山田選手としますが、その山田選手を含めた単騎の3人が、車券に絡んできた場合には高配当も望めそうです。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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