2024/12/08 (日) 12:00 6
現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は松山競輪場で開催されている金亀杯争覇戦の決勝レース展望です。
競輪選手は大会の開催中、宿舎に缶詰となります。レースでベストパフォーマンスを出すべく、ウォーミングアップからの練習、そしてレース。レースの後にはクールダウンを行うだけでなく、走った感覚を元にしながら、検車場で自転車の調整も行います。
まさに競輪付けの生活の中での楽しみが、自分にとっては宿舎のサウナ、そして、その土地のメニューが反映された食堂での食事でした。
以前も書いた話となりますが、松山競輪場の宿舎の食事は、全国1位と言っていいほどの味であり、品数も充分に用意されていました。【金亀杯争覇戦】に参戦している選手たちも、宿舎での食事を糧としながら、レースに臨んでいるのではと思ってしまいます。
今大会では唯一のSS班かつ、シリーズリーダーとしての役目を果たす走りを見せているのが深谷知広選手です。
競輪祭での怪我の影響を心配していましたが、初日の特選からバックを取り続けていたように、積極的な走りが目を引きます。完調までとはいかなくとも、ここでは役者が違っていると言えるでしょう。
その競輪祭では、優勝まであと一歩の走りを見せていた犬伏湧也選手も、好調を持続する走りをしています。今大会はまだ1着こそありませんが、後方に置かれた準決勝では早めに巻き返して、2着に粘り込んだ走りは見事でした。
その2人が実力通りに勝ち上がってきた決勝の並びは、⑨犬伏湧也選手-①松本貴治選手-⑥橋本強選手の四国ライン。③深谷知広選手-⑦松谷秀幸選手-⑧山賀雅仁選手の南関東ラインと、互いに3車のラインとなりました。北日本ラインは②山崎芳仁選手-④大槻寛徳選手の2車となり、⑤浅井康太選手は単騎となっています。
決勝でもこの2人の先行争いが見どころになってきますが、後ろに地元の2人(松本選手、橋本選手)を従えている犬伏選手の方が、先行意欲があると見ています。
初日の特選でも四国VS南関東の構図は見られましたが、この時は突っ張り先行に入っていた犬伏選手を、松井選手が抑えきる形となりました。
ただ、この決勝で後方からのレースとなりそうな深谷選手が、前を抑えに行ったとしても、今回ばかりは犬伏選手も一歩も引かないはずです。
犬伏選手としても前受けをした時に、迎えに来た深谷選手との先行争いをして脚を使ってしまうよりは、北日本ラインに前を取らせた上で、3番手からレースを進めていくという作戦もあります。
この展開となれば、後ろから深谷選手が抑えに行く前に動き出せるので、犬伏選手も先行体勢に入りやすくなります。
四国ラインの後ろに入っていそうなのが、単騎の浅井選手であり、その後ろは位置を下げた北日本ライン。前を叩けなかった深谷選手は、7番手から再び仕掛けていくはずです。
ただ、その時には犬伏選手もかかりきっている上に、深谷選手の捲りよりも先に、松本選手が番手捲りを繰り出していったのならば、後ろにいる橋本選手と、地元2人での上位独占が見えてきます。
ただ、深谷選手が抑えきって先行体勢へと入った場合には、その後ろを回っている犬伏選手の捲り一発が脅威であり、3連単の頭で来た場合には高配当も期待できます。
印としては◎は松本選手、◯は橋本選手、△は浅井選手、×は犬伏選手に付けておきます。△の浅井選手ですが、犬伏選手、深谷選手のどちらかが先行したとしても、その後ろを回れていそうなだけでなく、追い上げられるだけのスピードも持ち合わせています。
しかも、今大会の浅井選手は心技体が揃った走りを見せており、混戦になればなるほど、最後の直線で突っ込んでくる可能性は充分にありそうです。
鈴木誠
千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。
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