アプリ限定 2025/12/05 (金) 12:00 2
今年も残すところあとわずかーー。グランプリ出場予定選手も決まり、競輪界は一気に年末の雰囲気へ。2025年の激闘を振り返るべく、今回は“現場”を知る競輪記者の「記憶に残る一戦」をお届けする(企画・構成 netkeirin編集部)。(企画・構成 netkeirin編集部)
走りには人の考えと思いがハッキリと出る。まさしく“生き様”。それこそが車券の的中をも超越した競輪の面白さである。
森田一郎は125期の卒業記念レースを制し、即ナショナルチーム入り。競輪選手として華々しいスタートを切った。ただ、その走りは“競輪”選手ではなく、“ケイリン”選手だった。基本は圧倒的なスピードを生かした捲り。ラインは二の次。「正直、自分が1着を獲れればいいと思っていた」と本人も明かす。負けたくないというプライドが全面に出ていた。
そんな森田一郎がハッキリと〝俺は競輪選手になったんだ〟とアピールするレースが地元記念の準決勝だった。兄弟子である森田優弥を背負い、絶対に主導権は譲らないという気迫の逃走。自身は大敗したが、兄弟子を1着に導いた。
前検日から「ラインで決めたい」と連呼していた森田一郎。「森田(優弥)さんと連係するのがひとつの目標だった。森田さんに自分の走りを〝違うんじゃないか〟と指摘された。森田さんは言うだけではなく、走りでそれを、競輪を体現されている。スッと自分の中に腑に落ちた」と先輩の言葉で変わった。
無論、先行すればいい、後ろを勝たせればいい、というものではない。ただ、競輪はラインを生かすことで掛け算的に力が増す。それが競輪の戦い方で、面白さである。
モリタイチロウから森田一郎へ。若武者による競輪選手としての生き様の証明に心が震わされた。
| 着順 | 車番 | 競輪選手名 |
|---|---|---|
| 1着 | ③ | 森田優弥 |
| 2着 | ⑤ | 南修二 |
| 3着 | ⑦ | 宿口陽一 |
| 4着 | ⑨ | 佐藤慎太郎 |
| 5着 | ⑧ | 堀江省吾 |
| 6着 | ① | 新田祐大 |
| 7着 | ④ | 森田一郎 |
| 8着 | ⑥ | 板垣昴 |
| 棄権 | ② | 吉田拓矢 |
netkeirin取材スタッフ
Interview staff
netkeirin取材スタッフがお届けするエンタメコーナー。競輪の面白さをお伝えするため、既成概念を打ち破るコンテンツをお届けします。
