2024/10/15 (火) 18:00 33
元ガールズケイリン選手の高木真備さんが、まもなく開催される「寛仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」の見どころや注目選手をピックアップ。またイベント出演や動物保護活動で大忙しだった9月についても振り返ってもらいました。
ーー早いもので10月です。まもなく「寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」が今年も弥彦競輪場で開催されますが、真備さんは弥彦競輪場の思い出などありますか。
弥彦競輪場は、私が現役時代にガールズケイリンを開催していた競輪場の中で、最後に走ったバンクなんです(2021年にスタートした小田原をそれを除く)。関東でしたがなかなか機会がなくて。でもその後はたくさん走らせて頂きました!特に「ワイズスクエア賞」には毎年のように呼んでもらっていて、優勝の副賞でバイクやハードケースをいただいたりしました。社長さんがすごく太っ腹で、ガールズケイリンも応援して下さっている方なので、副賞がすごく豪華なんです(笑)。嬉しかった〜!
ーー弥彦競輪場は弥彦神社の敷地内にありますが、真備さんは弥彦神社に行ったことはありますか。
現役時代は行けなかったんですけど、引退後に初めて行くことができました。今年は4日間、現地へ伺う予定なので、チャンスがあればまた行きたいなと思っています。
ーーさて、今年のGIも残すところあと2つです。GP出場争いもいよいよ佳境に入ってきました。
見ている側としては、すごく楽しみです。個人的にはここから地区の結束力のようなものも大きなポイントになってくるのかなって。例えば南関勢はすでに2人がグランプリの出場権を持っていますが、1人でも多くの同地区の仲間と一緒にグランプリに出たい、という思いがあるはずです。熊本記念を優勝して賞金でのGPも狙える位置にいる深谷知広選手や“今年は絶対にGIを獲る”という気迫が感じられる松井宏佑選手は、郡司浩平選手、北井佑季選手のサポートも受けられそうで、勝ち上がれば優勝に近い位置を回れる可能性もあると思うので応援しています。
ーーすでにGP出場権利を持っている選手がいる地区が少し有利になるかも、というのは競輪ならではですよね。
他業種や多種目の関係者の方とお会いすると「競輪はラインが難しいですよね」と言われることがすごく多いです。まだ競輪を見始めたばかりでライン戦が難しいという方は、考え方を少し変えて、ぜひ「地区対抗戦」だと思ってみていただければなって思うんです。仲間の中から優勝者を出したい、というのは競輪ならではの考え方だと思います。そして何より、最後の直線までは同じ地区の人は味方なので、味方が多ければその分、自分自身が勝ちやすくなる。どの地区がたくさん勝ち上がれるか〜って考えると少し分かりやすいかなって思っています。
でもとにかく! まずはあまり難しく考えずに、地区の連係をおもしろいなと感じてもらえるとうれしいですね。
ーー他に注目点を挙げるとすればいかがでしょうか。
賞金でのGP出場が狙える選手にとって一戦一戦が大事になるのはもちろんですが、松浦悠士選手のように「(GIを)獲るしかない」とコメントしている、賞金ランキングでは後れを取っている実力者たちが、この状況でどんな走りをしていくのかという点にも注目しています。
ーーでは、真備さんご自身の活動についてうかがいます。9月23日には、動物愛護に貢献した個人や団体を表彰する『川島なお美動物愛護賞』の授賞式にて「動物愛護・ワンダフル・パートニャーズ賞」を受賞されていましたね。
まさかこういった賞をいただけるとは思ってもいなかったので、すごくビックリしました。そしてすごく光栄なことだなと感じました。こういった活動というのは、たくさんの方に知ってもらう必要があります。特に私の場合は競輪場での活動や福祉とのコラボといった、動物の愛護の中でもまだあまり知られていない分野だと思うので、この賞をいただけたことが、新たな方に認知されるキッカケになったかもしれないというのはすごくうれしかったです。
ーー授賞式をキッカケにして、他の受賞者との交流などはありましたか。
あります、あります! 授賞式で、「盲導犬クイールの一生」の著者の石黒謙吾さんと知り合うことができました。「盲導犬のクイールの一生」は映画にもなっていて私が小学生くらいの時にすごく流行った作品です。石黒さんとは授賞式をキッカケにして今でも連絡を取り合わせていただいています。新しい道が開けたというか、繋がりが増えたので、貴重な機会をいただけて本当に感謝しています。
ーー2022年の9月に川崎競輪場で初めて行われた「わんにゃんフェスティバル」ですが、その後も全国各地で開催され、気づけば丸2年が経ちました。今では認知度もかなり高くなりました。
本当にありがたい限りです。今まで知らなかった団体さんと繋がりができたり、競輪場さん側から「やりませんか」と声をかけていただくことも増えてきました。
ーーこれからも継続して行う予定ですね。
はい! あとは各競輪場やサテライトの空いているスペースなどを、わんにゃんフェスティバルのようなイベントで有効活用できたらいいなと思っています。例えば開催日でも開催日以外でも、空いているスペースを地元の団体さんに貸して、そのスペースをつかって譲渡会などを開ければ、団体さんにとっても、競輪場側にとってもプラスになるのかなって思うんです。また競輪場があるのは知っているけど行ったことがない、っていう地域の方が、競輪場に足を運ぶキッカケにもなるのかなって。わんにゃんフェスティバル関係なく“毎月第3日曜日に譲渡会をやっています”など、恒例化していってくれたらいいなぁ、と願っています。
ーー現地では老若男女が「わんにゃんクイズ」を楽しんでいる姿もよく見られます。
ありがとうございます。最初の頃は知って欲しいことがありすぎて、あれもこれもって問題に詰め込み過ぎていたんですけど、やっていくうちにいろいろわかってきたこともあって、みなさんが興味を持ってくれることや身近に感じてもらえるような問題に少しずつ変えていっています。クイズは私が1人で考えていて、2年間で結構改良したんですけど、それでもまだ完成していないくらい。よりよい問題をつくれるように、と常に考えています。
ーー次のわんにゃんフェスティバルの予定は?
27日の日曜日、京王閣記念2日目に京王閣競輪場で開催予定です。京王閣さんでは3年連続の開催で、今回はチャリティバザーなど初めて多数の団体さんが集結する予定です。お近くの方やご都合のつく方はぜひ遊びに来ていただけるとうれしいです。皆様とお会いできるのを楽しみにしております!
高木真備
Takagi Makibi
元ガールズケイリン選手(106期)。2014年に奈良競輪場でデビューし、玉野競輪場で初優勝する。2016年のガールズケイリンコレクションでファン投票1位を獲得して、優勝。同年末にガールズグランプリ初出場を果たす。2020年には、特別競輪ガールズケイリンフェスティバル(いわき平)で完全優勝し、同年のガールズケイリンコレクション(伊東)も優勝した。ガールズケイリングランプリ2021で悲願の優勝を果たし、2022年4月に引退。現在は動物保護活動をしている。