閉じる
前田睦生の感情移入

【車券の買い方】競輪格言「3着とウンコは流せ」、小田原競輪に居た!? 競輪の神様とトイレの神様

2024/10/05 (土) 12:00 20

競輪には「3着とウンコは流せ」という格言がある(撮影:北山宏一)

競輪のスタート地点

 競輪の新規ファンが増えてきて、車券の買い方についても「どうすれば?」と思う方も多いようだ。競輪は単勝がないので、ただ応援している、気になる、という選手を買うわけにはいかない。

 まず基礎となるのが1着と2着を推理すること。2車単で考えることが競輪の流れをつかみやすい。1着を5番、2着を9番、と推理して…というものだ。『折り返し』と呼ばれるように1着9番、2着5番のパターンを押さえる、という風に進んでいく。

 ただしやはり、3連単を売っている以上、それを買いたい。1、2着を考えても、それが当たっても、3着がどうにも当たらない…というケースにぶつかることがある。競輪には「3着とウンコは流せ」という格言がある。流す、とは目を絞らずに「35789と流す」と使ったり、または全通り流す、ということだ。

神の領域

4角以降はまさに神の領域(撮影:北山宏一)

 なぜ『3着は流せ』と言われるのか。それはやはり推理が難しいから、だ。競輪の推理を時間軸で追うと、枝葉が分かれるように、ホーム、2角、4角、直線、ゴール、と何倍、何乗という形でパターンが増えていく。天文学的な数字で増えていく。

 4角以降はまさに神の領域。そこに逆らわず、まず的中を目指す下々の戦いがある。余裕があれば流しつつ、その中で買う金額を調整するのが上達への道だ。3着は全、その上で、を推奨したい。やはり、神には逆らえないものだが、このケースではこの選手が濃厚、このケースまでは想定しづらいのであの選手を3着で、と推理していくことも重要だ。

 ウンコは流せ、という言葉についての説明はいらないだろう。

便所の落書き

小田原競輪場にはセンスのある落書きがあった(撮影:北山宏一)

 小田原競輪場の2センター側に古いトイレがあった。もうだいぶ前に改修され、綺麗になっている。ある時、ウンコをしたくなったので、そこの和式の個室に入り、ベルトを外し、ズボンを下ろし…。ウンチングスタイルを取った瞬間に、目の前に飛び込んできた。

「ラーメン、つけ麺、ボク造免」

 東京に造免浩二(引退=76期)という選手がいたのだが、あまりにもセンスのある落書きだった。「これはうまいな…」と感心していると、いつの間にかすべてが出し尽くされていた。この落書きを書いたのは、競輪の神様とトイレの神様を歴任した方だと思う。

 車券推理の話で、『全』が必要な理由を書いた。必要な理由を書いたことで、その上があるということも訴えたい。そこをおろそかにしないことが競輪に精通していくために逃れられない道だ。


X(旧 Twitter)でも競輪のこぼれ話をツイート中
▼前田睦生記者のXはこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

前田睦生の感情移入

前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

閉じる

前田睦生コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票