2024/09/12 (木) 12:00 27
宇都宮競輪の大阪・関西万博協賛「第40回共同通信社杯競輪(GII)」が9月13日に開幕する。KEIRINグランプリ出場の賞金争いが今年も熾烈になり、この時期の共同通信社杯競輪は過酷となる。地元でそれを迎える眞杉眞杉匠(25歳・栃木=113期)は開催前に11位という場所にいる。
地元のビッグレース。「いや、もう、賞金とかじゃないんで。賞金いらないんで、優勝だけは!」とカッコつけたくなる年頃に思えるが、おそらく眞杉は違う。「いやいや、賞金も優勝も、どっちも!」。祖父が日光の市長だったり、まだまだ奥深い眞杉匠の人生だが、ただ手に負えないヤツなのだろう。競輪選手としてはたくまし過ぎてピッタリ。
そんな眞杉の後塵(こうじん)を拝してばかりではいられないのが坂井洋(29歳・栃木=115期)だ。2019年7月、坂井のデビュー戦の時、期は先輩だが直系の後輩である眞杉はほとんど“お供役”としての参戦だった。坂井の出世と平行しながら、眞杉はさらに高みへ上り詰めた。
坂井としては眞杉に対して、夢もあこがれもどこか違ってるけど、それが2人のハーモニーなのだろう。
小田原記念(北条早雲杯争奪戦)の決勝では南関7車が並び、話題となった。はたまた向日町記念(平安賞)の決勝は脇本雄太(35歳・福井=94期)と地元の窓場千加頼(32歳・京都=100期)ー山田久徳(37歳・京都=93期)で近畿別線で戦った。各地区のハーモニーが、ディストーションを効かせて鳴り響いている。
関東は…。近いところでは取手記念(水戸黄門賞)の決勝で5車結束し、吉田拓矢(28歳・茨城=107期)が優勝を手にした。かつては武田豊樹(50歳・茨城=88期)と平原康多(42歳・埼玉=87期)の関東別線ガチンコ勝負が、名勝負を生んだ。
今大会は初日と2日目の勝ち上がり戦は自動番組になる。あまりいい趣味ではないのは承知の上で書くが、どれか一つ、関東だらけのレースが見たい。ゴメンナサイ。
宇都宮競輪場のバンクレコードは中川誠一郎(45歳・熊本=85期)が2018年6月28日に13秒2という数字を残している。世界はとんでもない次元に突き進んでいて、競輪界もそれに伴ってスピード化が進んでいる。
太田海也(25歳・岡山=121期)としては、積極的に早めからでも踏んで勝負、が頭にあるだろう。ラインを連れ込んでこそ、は譲れないものがある。
でも…。やっぱり私は、悪趣味なのだろう。太田が別線にやたらと警戒され、抵抗され、慣れていない500バンクで…。後方に置かれてしまい、どうしようもなくなり…。宇都宮の雷鳴が、瀬戸内から届く。海なし県に、海が広がる。
我ながら、書いていてあまりにも稚拙な文章になってきたので、潔くここで今回は筆を置く。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。