展開次第では近畿ラインの後ろを回っている、大森の優勝の可能性も？

　ただただびっくりした、というのが、【平安賞】の決勝に臨む9名のコメントです。

　3名が決勝に進んできた近畿ラインですが、地元の窓場選手、山田選手と、脇本選手は別線を選択。⑤窓場選手-①山田選手の後ろは、北海道の④大森選手が主張した一方で、⑨脇本選手の後ろは、埼玉の⑦武藤選手となりました。

　大森選手とは同じ北日本地区ながらも、⑧大槻選手は単騎戦となり、北日本の選手たちとは幾度となくラインを組んできた、②松谷選手も単騎を選択しました。

　西日本のくくりで、今大会は2次予選、準決勝とラインを組んできた③清水選手-⑥松岡選手が、この中ではまだ連係実績がある方だと言えます。

　まずは別線を選択した近畿ラインですが、窓場選手が自力を出したいという中で、脇本選手は地元記念で結果を残したいという、地元2人の中に入っていくわけにもいきません。ましてや自力選手として3番手も回れないという、苦汁の決断だったと思います。

　その脇本選手の後ろを初めて回ることになった武藤選手ですが、別地区の選手が番手に付く場合、ほとんどの場合は点数が上位の選手が先にコメントを出して、並びが決まっていきます。

　今回は点数上位の武藤選手がコメントを出したことで、他の選手たちは単騎戦を選択。もしくは大森選手のように近畿ラインの後ろを主張したのでしょう。

　近畿ラインの後ろという、意外な選択をしたように思える大森選手ですが、このメンバーでは窓場選手が先行していくとの狙いもあったはずです。

　山田選手の車番的にもスタートを取っていくのは、近畿の2人と大森選手のラインとなりそうです。その後ろは車番通りに並んでいけば、松谷選手、西日本ライン、大槻選手の後に脇本選手-武藤選手となります。

　ただ、抑えにいった脇本選手を窓場選手が突っ張った場合に、両者の叩き合いは無いはずなので、脇本選手が引いたのを見て、窓場選手がすんなりと先行。脇本選手は8番手からのカマシ捲りとなります。

　かかった時の窓場選手の強さは、オールスターでの走りが証明しています。この展開となれば番手を回る山田選手にとっては絶好の展開となりますが、二次予選、準決勝と異次元と言える捲りを見せているのが脇本選手です。

　向日町競輪場は形状的に捲りが出にくいはずなのに、なぜかタイムが出るという不思議なバンクでもあります。そこで後方から捲っていきながら、二次予選では10秒7、準決勝でも10秒8のタイムを出した脇本選手は、改めてレベルの違う選手だと思います。

　◎は脇本選手で、〇は脇本選手のスピードにしっかりと付いて行けそうな武藤選手。▲は窓場選手の後ろからの番手捲りが決まりそうな山田選手ですが、△を付けた清水選手も展開次第では逆転が可能と見ています。

　ここまで3連勝と状態の良さでは一番と言える大槻選手ですが、単騎かつ、8番車という車番もあまりいいとは言えません。同じく単騎戦となった松谷選手と共に、切れ目からどう攻めていくかが鍵となるでしょう。

　それならば、番手捲りをしていく山田選手の後ろにつけている大森選手が、展開的にも有利に運ぶはずです。脇本選手の捲りが不発に終わった時には、山田選手とのゴール前勝負となりますが、もし大森選手が1着で来るようならば、3連単での高配当も狙えそうです。

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