2021/07/26 (月) 12:00 3
富山競輪場で開催されている「瑞峰立山賞争奪戦(GIII)」の決勝レース展望をお届け! 決勝は本日16時35分発走予定。
梅雨が明けたと思ったら、猛暑が続き身体が追いついていかない…! 人と会えば「暑いね」が挨拶になる始末。現役の頃は真夏のギラギラした太陽を背に、街道練習へ行く事が当たり前だったのに…!
しかも宿舎では、先輩からの「脚を冷やすな!」の教えを守り、何の疑いも持たず、大方の選手がモモヒキを履いて過ごしていた! まるで我慢大会だったよ。それが今では真逆…! 「レース後は氷で脚を冷やす」これがスタンダードになっている。
今シリーズはSS不在だが、軸になる選手がいる開催は狙いやすい。でもね、それだと妄想が成り立たない! 富山バンクはレースが荒れるイメージがあるし、今回こそオレの出番だ。暑さにめげずにやるべ〜。
準決勝10Rの藤井侑吾がまたまたやってくれた…! 二次予選は同期の高橋晋也を完封し、準決勝でも人気の岩本俊介を粉砕。とりわけ岩本が藤井を逃がす展開を作ったにもかかわらず、まくらせない! A級戦なら頷けるが、S級準決勝でだよ。こりゃタマゲタ。「競輪は番手」のセオリーどおり、宮越孝治が差し高配当となった。12Rでは大本命・浅井康太が失格し、竹内雄作が繰り上がった。これが意味することは…
まずは決勝の並びから。⑥藤井侑吾-①竹内雄作-⑧宮越孝治の中部トリオ、④堀内俊介-⑦小原太樹の神奈川タッグ、③稲垣裕之-⑨三谷将太の近畿コンビ、②柿澤大貴と⑤阿部力也は単騎の細切れ戦となっている。(⇐⑥①⑧・④⑦・③⑨・②・⑤)
さあ、妄想のはじまりだ! …とその前にセオリーを考察しておこうか。セオリーどおりなら、藤井-竹内-宮越の中部トリオで一気に先制し、竹内のバンマクV! 宮越が流れ込んでチャンチャンだよね!
でもね、藤井の力量と走り方は対戦相手に手の内を明かし、すでにバレバレ。しかも竹内が番手なら、飛びつきありきの攻めができるのは柿澤か阿部だ。そうなったら隊列は短くなり、堀内-小原でかまし頃! だが準決勝を見るに、藤井を叩くのにはかなり脚を使うだろう。
するってえと、この展開でじっと脚をためられる稲垣のまくり一発! これなら稲垣の富山記念連覇が成立するぞ。
アレ? 待てよ? このレース、本格先行は藤井だろ! しかも後ろがもつれたら『先行一車は黙って買え』の格言がすっぽり当てはまる…! 藤井の準決勝までを見るに、力量や戦法がバレてるとは言え、後ろが消耗しちまえば難なく押し切れるようなデキの良さも見て取れる! こりゃ『⑥藤井-全-全』も押さえようかね!
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。