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鈴木誠のハイブリッド展望

【佐世保GIII・決勝レース展望】地元・山崎&小川の西日本ラインと好調・新山&須永の北日本ラインのせめぎ合いが見どころ

2020/12/20 (日) 12:00 1

 今日は、佐世保競輪場で開催されている「九十九島賞争奪戦」(GIII・佐世保記念)の展望をお届けします。九十九島賞争奪戦が行われている佐世保競輪場は、海からほど近い場所もあってか風の影響を受けやすく、走る直前になってからも風向きがどんどん変わっていきます。400mバンクながらも、直線が短い上にバンクの角度も浅いので捲りが決まりづらく、捲りを仕掛ける際も、タイミングを早める必要があります。

 このバンクの特徴を最もよく知っているのが、決勝に残った地元の山崎選手と言えるでしょう。特選、二次予選と連勝で臨んだ12レースの準決勝でしたが、不利な展開となっただけでなく、小川選手がいい捲りを打ったのにも関わらず、それを交わしたあたりからも出来の良さがうかがえます。

 山崎選手に交わされた小川選手ですが、準決勝までのレースを見ても、こちらもいい状態で臨めているのは間違いありません。もう1人、調子が良さそうなのが新山選手です。新山選手は走りが綺麗で、自分のペースに持ち込めばとても強いのですが、他のラインに揉まれたり、強い捲りがいる展開になると、その強さが発揮できない傾向が見られます。

 決勝ですが山崎選手、小川選手と好調な両者が西日本ラインで並び、新山選手は須永選手と北日本ラインを組むことになりました。10レースで1周半を逃げ切った吉田選手の後ろには、その時と同じく神山選手が付けて北関東ラインを形成。11レースで2着となった村上選手の後ろには、山口選手と笠松選手が並ぶ中近ラインができあがりました。

 スタートは北日本の新山-須永が取りそうです。その後ろには西日本の山崎-小川、そして北関東の吉田-神山が付けるのではないのでしょうか。3車となる中近ですが、この並びだと村上選手の先行はあまり考えられないので、中近が抑えたところを北関東が叩いて、それを見計らったかのように、北日本か西日本のどちらかが捲っていく流れになると見ています。

 山崎選手は仕掛けた勢いのままに捲ってしまってもいいですし、場合によっては北日本の後を取っても勝機はあると思います。レースは山崎-小川で決まるのではと思いながらも、そこに新山選手がどう絡んでいくかも見どころです。まとめとなりますが、本命は山崎選手で、対抗は小川選手。連下は新山選手で、穴は吉田選手です。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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