村上義弘 全ては競輪から教わった

【村上義弘の思い】スピード負けは感じていない…高松宮記念杯競輪で成し遂げたいもの

2021/06/16 (水) 18:00 35

競輪界のレジェンド・村上義弘選手がついにnetkeirinに登場!(撮影:桂伸也)

村上義弘選手の連載コラムが本日よりスタートいたします。デビューから27年間、競輪に一途に向き合い、弛まぬ努力を重ねトップ選手に上り詰めた村上選手。様々なテーマから競輪界のレジェンドの胸の内に迫り、競輪の魅力をユーザーの皆さまにお伝えしていきます。

記念すべき初回は、17日から岸和田競輪場で開催されるGI・高松宮記念杯競輪について。数々のGIを手にしてきた村上選手ですが、高松宮記念杯競輪に対してある思いを持って走りたいと語ります。

(取材・構成=渡邉和彦)

※取材はコロナ対策を取り、マスク着用で行いました

目前に迫った高松宮記念杯競輪、今の自分の気持ちは…

 6月17日から始まる高松宮記念杯競輪は、1994年にデビューしてから、ずっと思い入れが強いレースだ。これまで競輪グランプリを2回、GIを6回(日本選手権4回、全日本選抜とオールスター各1回)制しているけど、まだ手にしていないタイトルでもある。

 もともと、滋賀県の大津びわこ競輪場で開催されていた伝統あるGIで、同じ近畿地区の京都に籍を置いている自分としては、長年続いてきた地元のビッグレースという意識を持っている。特に、岸和田は数多くの思い出が詰まっている競輪場。

岸和田競輪場は思い出深い競輪場の1つ(撮影:桂伸也)

 たとえば、B級でデビューして初優勝したのも、2002年に初めてGI(全日本選抜)を制覇したのも、2004年に大怪我をして、長いスランプに陥った後、2009年の日本選手権で3連勝して、決勝に進出し、6着に敗れたものの、「村上復活!」と騒がれたのも、すべて岸和田だった。

 そんな競輪場が、約2年間の改修工事を経て、6月1日にリニューアルオープンし、最初に迎えるGIが第72回高松宮記念杯競輪。そこに向けた準備は、自分なりに、着実に進めてきている。

 このコロナ禍、ホームバンクではない岸和田に行って練習することはできなかったけど、改修後に何度も走っている地元の選手たちに話を聞いたり、開催されたレースの上がりタイムを見ても、高速バンクになっているのは明らか。GIともなれば、より高速化するのは間違いないから、練習では、普段以上に、スピードに重点を置いて取り組んできた。

 7月6日で47歳になるけど、年を追うごとにスピードが落ち、レースでスピード負けすることが増えているのも事実。こればかりは、競輪選手として、どうしても抗うことはできない。それでも、直近の4月と5月のレースでは、スピード負けを感じることがほとんどなかったから、スピード対策を徹底して臨めば、チャンスは十分あると考えている。

5月の五稜郭杯争奪戦(GIII)は決勝進出。スピード負けはしていない(撮影:島尻譲)

 そして、高松宮記念杯競輪のタイトルを獲得すれば、GI最年長優勝記録。かつて京都に所属していた松本整さん(45期)が、2004年に高松宮記念杯競輪を制し、その直後に引退を発表したときの45歳を抜くことになる。何としても実現させたいんだけど、そこには、数字的なものよりも、もっと違った思いがある。

 それは、師弟制度が浸透している競輪界で、あえて師匠を持とうとしなかった自分にとって、同じ京都で15歳上の松本さんは、「プロの競輪選手はどうあるべきか?」を一から厳しく教えてくれた大先輩であり、恩人だということ。とにかく、ずっと背中を追いかけ、追い抜くことを求めてきたんだけど、松本さんが現役のときに、それは叶わなかった。だからこそ、GI最年長優勝記録を抜くことが、最大の恩返しだと思っている。しかも、松本さんが最後に勝ったGIが高松宮記念杯競輪なんだからなおさらだ。

 今回、このレースに懸ける気持ちは、他のどの選手にも負けないつもりだ。2016年の競輪グランプリ以来となるタイトルを掴むために、思い出深い岸和田の地で、いつもファンの方々が期待してくれている「魂の走り」を最後まで全うしたい。

松本さんの記録を抜くことが最大の恩返しと思っている(撮影:桂伸也)

※次回は6月30日(水)公開予定です。

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村上義弘 全ては競輪から教わった

村上義弘

Yoshihiro Murakami

1974年京都府生まれ、花園高出身。日本競輪学校73期卒。代名詞は「先行日本一」「魂の走り」。KEIRINグランプリ2勝、日本選手権競輪4勝を含む特別競輪13勝。実績だけでなく競輪に向き合う姿勢や常に全力を尽くすレーススタイルは、選手・ファンから絶大の信頼を得ている。ファンの存在を大切にし続ける競輪界のレジェンド。

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