2024/08/07 (水) 12:00 21
松山競輪場で「第10回施設整備等協賛競輪 道後温泉本館全館営業再開・改築130周年記念 道後温泉杯争覇戦」が8〜11日の日程で開催される。平塚GIオールスター競輪の直前になるわけだが、新田祐大(38歳・福島=90期)が出場する。
新田は2月岐阜GI全日本選抜競輪の先頭誘導員早期追い抜きの失格があり、オールスターの出場権を得られなかった。その分、こちらの大会としては目玉としての存在になり、これはこれで大注目だ。圧巻4連勝を飾ってくれると思う。
早期追い抜きの失格の欠場期間は、新田にとっては時間をかけて体を作り直すために使えたと言える。国際大会には出場しないが、ナショナルチームと同じ生活を送り、トレーニングも一緒にしている。その新田が「ナショナルチームのメンバーの練習についていくのがいっぱい。相当、強いですよ」と証言するのだ。
まさにパリ五輪では自転車競技のトラック種目の真っ最中で、新田の血も湧き起こっていることだろう。彼らの活躍を誰よりも信じていて、それができる力があると確信してもいる。そんな高揚感の中、自分自身も“魅せて勝つ”と燃えているはず。
東京五輪を2021年に終えてからは、位置取りも重視し、強気に攻め立ててレースを作るようになった。爆発力だけで勝負するのではなく、それを生かすためにも、レース運びをよくしようと意識している。
S班相手でも、同等。昨年、身体の不調もありKEIRINグランプリ出場を逃し、赤いパンツからは離れたものの、やはり“新田祐大”は別格の存在感がある。
新田を破るのは相当困難なレベルになるが、地元勢が燃える。特に真鍋智寛(25歳・愛媛=121期)の近況の強さは侮れない。7月上旬のPIST6では新山響平(30歳・青森=107期)を決勝で倒して優勝している。
といっても、レースを振り返ると「枠順の有利不利が大きいので、それに助けられただけ。とにかくいつ新山さんが来るか、来るか、とおびえてました。あの構成で3着まで来ている新山さんは、やっぱりメチャクチャ強いですよ」と、謙遜ではなく本気で新山の強さを体感した顔をしていた。
ただし、片鱗を見せたのは事実。3月上旬の松山記念では、初日のレースを前に体を壊して当日欠場という無念の涙をのんだ。悲痛な姿で検車場を去る姿は悲しいほどだったが、それを取り返すチャンスが今回だ。“マナティ”と呼ばれている愛くるしい表情で、笑顔を振りまいてほしい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。