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前田睦生の感情移入

【全プロ記念競輪】正念場は郡司浩平、守澤太志… 父・郡司盛夫の予言

2024/05/24 (金) 12:00 38

郡司浩平は今が大事な時期

狙われることになる

 高知競輪場で5月25、26日の2日間、「2024年度全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪(FII)」が開催される。全プロ記念と呼ばれる、27日の「第71回全日本プロ選手権自転車競技大会」に出場する選手たちが競う大会だ。初日の10〜12Rの優秀戦に出場する27人が、2日目のスーパープロピストレーサー賞を争う。

 特別な何かがあるわけではないものの、シンプルにGI級の競走。こうしたところで甘いところも見せられない。それどころか、挽回の雰囲気を作りたい選手がいる。

 郡司浩平(33歳・神奈川=99期)と守澤太志(38歳・秋田=96期)は厳しい状況に置かれている。郡司は函館記念(五稜郭杯争奪戦)決勝といわき平ダービー(日本選手権競輪)の二次予選、守澤は函館記念の準決と、また初日特選にしても位置を失っている。

 ラインの中での信頼が薄れてしまう事態だ。加えて、他のラインから「狙っていける」と見られてもしまう。これは選手として、致命的なものになりうる。

父・盛夫さんの予言

父・盛夫さんは予言していた

 浩平の父・郡司盛夫(引退=50期)さんのインタビュー記事に、浩平は深谷知広(34歳・静岡=96期)、北井佑季(34歳・神奈川=119期)や松井宏佑(31歳・神奈川=113期)の番手で競りになることがあるだろう、とあった。それがすぐに起こったわけだが、盛夫さんは「いい経験になる」と話している。

 浩平としては2度競り負けた形。それすら許されない立場の選手とはいえ、やはり経験は少ない。いわき平の時には「いろんなものを身に付けないといけない」と唇を噛んでいた。函館記念決勝の相手は古性優作(33歳・大阪=100期)で、現状は高い壁があるほどの選手だ。

 この経験を糧に、競り負けない選手にならないといけない。こうした立場に置かれた選手で、どんな状況でもほぼ負けなかったのが村上義弘(73期=引退)さんだった。浩平には、厳しさを伴う走りを備え、より大きな選手になってほしい。

 全プロ記念は競技大会を控えるので激しくならない傾向がある、と言われがちだが、浩平にとっては何も関係なく、厳しく走るしかない。

守澤太志の価値

守澤太志のこれからがある

 守澤は7月20日に39歳になる。S班として活躍し、また復帰を…と期待されるが本人は控えめ。とはいえ、これからの戦いは40代をどう生き抜くか、北日本で信頼され続ける選手でなければならない。

 年齢を重ねた守澤が踏ん張ることが北日本の強さにつながる。これからの価値を、作り上げていってほしい。

気になるワッキーとあの男

元気なワッキーを見たい

 古性は近畿地区プロに出場していないため、今回はその姿を見られない。後ろ乗りの超絶秘技をまた見たかったが、こればかりは仕方ない。復帰する予定の脇本雄太(34歳・福井=94期)のド級の走りで癒されたい。体の状態は気になるが、広い高知の500バンク。丁寧に力を出し切って、これまでのように別線をねじ伏せる。

 5月27日の競技大会も注目。ここには2月岐阜GI「全日本選抜競輪」で先頭誘導員早期追い抜きの失格であっせん停止となっている新田祐大(38歳・福島=90期)も出場する。6月1日開幕の前橋記念の前に、この期間をどう過ごしたかを見せつけ、復帰後の大爆発を感じさせてほしい。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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