2024/05/15 (水) 12:00 25
令和6年能登半島地震復興支援競輪の函館競輪「開設74周年記念 五稜郭杯争奪戦(GIII)」が5月16〜19日にナイター開催で行われる。S班は5人。佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)、新山響平(30歳・青森=107期)としては、古性優作(33歳・大阪=100期)、眞杉匠(25歳・栃木=113期)、山口拳矢(28歳・岐阜=117期)を迎え撃つ立場になる。
いわき平競輪場で開催された「第78回日本選手権競輪(GI)」では北日本勢が地元地区ながら、1人も決勝に乗ることができなかった。そのリベンジの戦いが始まることになる。シンタロウ、新山の悔しさは想像を絶するものがある。
シンタロウとしては二次予選で苦渋の決断を迫られるシーンもあり、苦しいシリーズだったかと思う。飯野祐太(38歳・福島=90期)がいる中で、番組構成としては現在の勢い一番の北井佑季(34歳・神奈川119期)に付けては…というものだった。
ただ飯野に任せて、という選択もあったかもしれない。悩ましいところだが、今回、北の連係で遠征勢をきっちり打ち倒す戦いを見せてくれるだろう。そうすることでしか、ダービーの無念は晴らせないと思う。
新山は北日本のエースとして、自らの力で決勝進出、そして優勝へと向かうことが求められていた。その戦いにブレはなかったが、準決の日の強風はさすがにきつかった。新山は言い訳にもしないかと思うので、これからはどんな状況でも、を期待したい。
自らに向ける悔しい気持ちこそが、新山を強くしている。
守澤太志(38歳・秋田=96期)としても、“北で”の結果がほしい。渡部幸訓(40歳・福島=89期)は失格になってしまったものの、あの位置で果たさないといけない責任に心で立ち向かっていた。高橋晋也(29歳・福島=115期)は復調明らかなので、北日本に勢いを付ける。
古性はやはり抜きんでた強さを持っており、どんなメンバーでも常に本命を背負える選手。ここまでの選手はそうそういない。眞杉は復活から強さへ、ダービーでの結果以上に頼もしさを増している。
拳矢が勝負強さを見せたこともまた競輪界を明るくする。函館は2021年の「サマーナイトフェスティバル」でGII初決勝進出とブレーク。2023年の「サマーナイトフェスティバル」でも決勝に勝ち上がっている相性のいいバンクだ。
今年はS班ではないので登場は遅れたが郡司浩平(33歳・神奈川=99期)もいて、あまりにも楽しみ。ダービーで確実な成長を披露した小林泰正(29歳・群馬=113期)も大事なシリーズになる。
5月14日に最終日を行った武雄記念(大楠賞争奪戦)。決勝は9人が9人、力を出し尽くす素晴らしいレースだった。優勝した深谷知広(34歳・静岡=96期)の輝きはもちろんだが、打鐘で仕掛けて先頭に立ち、そこを譲ろうとしなかった清水裕友(29歳・山口=105期)の走りには、いろんな意味が込められていた。
そして、山田英明(41歳・佐賀=89期)。稲川翔(39歳・大阪=90期)に一度は競り負けたが、はいつくばってでもの追い上げには心が震えた。中団に入ったが、すかさず仕掛けにいった志田龍星(26歳・岐阜=119期)も一皮むけている。
選手たちの全力の戦いを、これからも全力で見ていきたい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。