2024/04/25 (木) 12:00 15
久留米競輪場で令和6年能登半島地震復興支援として行われるガールズケイリンGI「第2回オールガールズクラシック」が4月26〜28日にナイター開催で行われる。第1回は松戸競輪で行われ30億円を超える売り上げで、大盛況だった。優勝者の佐藤水菜(25歳・神奈川=114期)らパリ五輪を目指しているナショナルチーム組は今回は参加しない。
昨年のガールズのビッグレースでは佐藤を中心にしてナショナル組が目立つことが多かった。そこに悔しさを表していたのは児玉碧衣(28歳・福岡=108期)が筆頭だが、坂口楓華(26歳・愛知=112期)もその思いは強かった。
3月取手競輪で行われた最後の「ガールズケイリンコレクション」を坂口は制した。ビッグレース初優勝で、ようやく…といったところ。勝因は何よりも、今までのレースの蓄積だと思う。ガルコレそのものは展開が向いたことが大きいが、坂口が先行を中心にレースを作ってきたからこそ、戦いやすい流れにつながった。
坂口としてはもちろん、この勝利に満足はしていないだろう。こうした戦いの先にあるナショナルチームが戻ってきた時を考えている。その意味で、この大会での坂口の走りは一番の注目といっていい。
児玉は立場的には“優勝しないといけない”クラスの選手だ。とはいえ、今年に入ってからは体調不良などもあり、実際の状態は「勝てる」とは言いづらい。だいぶ戻しているようだが、ファンとしても「万全ではない?」と思うところもあるだろう。
実際には児玉は奮起、意地、責任とすべてを合わせて完全な状態で走ると思うが、いや、気持ちを込めて今持っている以上の力を発揮すると思うが、それでも、そこまで気負わずに自分の戦いに集中できるかが重要だろう。
どうしても久留米というホームバンクでの戦いで、『勝ちたい』と強く思うのは間違いない。特別なシリーズなのは変わらない。うまく今までの経験を生かして、“アオイらしさ”を発揮してほしい。
ファンはまず、それを楽しみにしている。
小林優香(30歳・福岡=106期)も不屈の闘志で挑む。2月高松競輪での決勝で落滑入のレースとなり、またしても大ケガを負ってしまった。復帰戦の小倉競輪で完全Vを元気なところを見せていたので、少しは安心だ。あまりにも苦境ばかりの選手生活で、この久留米の大舞台で大復活といきたい。
尾方真生(24歳・福岡=118期)にしても、どうしても届かないビッグVを手にしたい。強さは誰もが認めるところ。今回は何が何でもの闘志に期待したい。
今回、有力な選手は確かにいるものの、現時点ではナショナルチームがいないので、チャンスは大きく広がっている。力の差が極端ではないシリーズなので、どのレースも波乱含み。新しい一歩を踏み出す選手たちが出てくることも待ちたい。
また、普通開催の3つのシリーズも、GIと一緒ということでみながいつもよりハッスルすることがある。前回は地元の千葉勢が盛り上げていたものだが、何か、キラリと光る走りを、誰が見せてくれるだろうか。
自分らしさを見せられるのか。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。