2024/04/13 (土) 12:00 34
平塚競輪場で8月13〜18日に開催される「第67回オールスター競輪(GI)」のファン投票が、4月12日12時から5月12日12時まで、で行われている。男子は従来通りだが、ガールズは昨年までの「ガールズドリームレース」「アルテミス賞レース」の2つから、「女子オールスター競輪」(13〜15日)というシリーズ制に変わる。
昨年まではアルテミス賞の扱いが微妙な感じだったので、わかりやすい一歩と思う。そして、来年度からは大きくGIとしての「女子オールスター競輪」へと進化する。今年の女子オールスターはGI格付けではない。
昨年のGI創設から、今回の女子オールスターシリーズの開始で大きな枠組みは整ったように感じる。あとは、普通開催の中でのGIII的なもの、また50点未満開催といった、バリエーションの増加が考えられるものの、根本の選手数の問題もあるので、もうちょっと先か…。
ガールズケイリンのファン投票は初期のころは選手がそれぞれ独自の写真や情報をサイトにアップし、アピールしていたものだ。これは現状なくなっているが、ちょっと寂しい感がある。得意不得意もあって…だろうが、今の時代はファンサービスしてこそ。
自分自身をプロデュースすることも実力の内で、多様なアピールができるようになればと思う。競輪選手としての自分を、ファンに、世の中に示すことは重要な意味を持つ。
1人でも惹きつけることができれば、また惹きつけ続けることができることが競輪界の未来につながっていく。さらには輪が広がることにもつながっていく。タテヨコを見据えた活動として、選手をどう世の中に伝えるかは考えないといけない。
当方の仕事事情によるところで、「なんとも…」と感じるものがある。会社で内勤業務をやっていると、現場から写真が送られてきたものをリストでチェックする。ボートレースでは選手たちがボートを運んでいたり、磨いていたり、エンジンをいじっていたり…。そこには表情も相まって、ボートレースという仕事の緊張感とカッコ良さが備わっている。
かつては競輪界も自転車を整備しているもの、ローラーに乗っているもの、といった緊張感のある、「これが競輪か…」とレースだけではなく伝えられる写真があった。
それが最近では、社に送られてきた写真データの一覧に、カッコいいボートレーサーの写真の中にポツンと右手を構えた競輪選手の写真が浮かび上がってくることばかり…。ミックスゾーンができての規制の影響によるものだが、時間を経て、失われてしまったいいものを取り戻すことは訴えないといけない。
規制をどうこうではなく、現行の規制を進行させる中で「できること」を模索することがファンへの責任。競輪選手をカッコいい形で紹介できる、そんな写真撮影の機会が生まれることを提案していきたい。
川崎記念(桜花賞・海老澤清杯)が行われていた最終日に、深谷知広(34歳・静岡=96期)がトークショーを行った。それはそれはの大盛況で、深谷の爆笑を引き出すトークと、競輪の真に迫る話にファンは惹きつけられていた。
深谷はトークショーが終わった後、ステージの端で時間を取り、写真撮影をしたりサインを書いたりと、ファンと楽しく触れ合っていた。
昔、殺伐とした時代は選手の安全確保のため、こうしたことに抵抗のあるイメージもあったものだが、きっちりと警備員を配置し、適切に行えばこんなに素晴らしいことはない。今、全国のサテライトではこうした光景を多く見ることもでき、コロナ後にいいものが戻ってきていることを喜ぶことも忘れてはいけない。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。