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前田睦生の感情移入

【よさこい賞争覇戦】ちょっと笑顔が戻った新山響平…北日本、地元地区の記念の少なさによる不遇…

2024/04/10 (水) 12:00 34

渡部幸訓Tシャツを着る新山響平

新山響平に笑顔が戻る

 令和6年能登半島地震復興支援競輪として行われる高知競輪の大阪・関西万博協賛「開設74周年記念 よさこい賞争覇戦(GIII)」が11〜14日に行われる。新山響平(30歳・青森=107期)と佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)は川崎記念(桜花賞・海老澤清杯)からの転戦になる。2人とも優勝は成らずも、決勝に勝ち上がっているので気分的には上がっているところ。特に新山は…。

「3場所決勝に乗れていなかったから、結構外していたからって、全然うれしくない!」

 満面の笑みで、決勝進出が決まったことに安堵していたものだった。準決は勢いがある岩本俊介(39歳・千葉=94期)が強敵だったが、車番の順もあって「戦いやすさはあった」と得意の突っ張り先行でシンタロウと決めた。車番は現行競輪において非常に重みがある。このレースについてはスタンディングが早い大森慶一(42歳・北海道=88期)がいたことも大きかった。

 競輪は番組編成員によって組まれるもので、地元勢やその時の勢いのある選手などが、車番的に有利になる面がある。

北日本の地元場は3ヶ所

佐藤慎太郎はザ・タフネス

 年間の戦いはビッグレースが一番上にあり、毎週のものとして記念(GIII)がある。ここでしっかり戦っていくことが重要だ。ラインの概念は大きく8つの地区に分けられており、北日本の地元地区の記念は函館、青森、いわき平の3つになる。

 関東が8、南関が7、中部が7、近畿が5、中国が3、四国が4、九州が6。中四国はひとつに見られることもある。北、少ない…。ということで、遠征として臨む他地区の記念では北日本の選手は、厳しい番組になりがち。新山の苦しみは、そんなところにもある。

 そんなことは新山も分かっていることなので、前受けの時ではない組み立てに進化を見せている。シンタロウも「S(Standingの略)、マジで練習しないと…」とつぶやくのだ。取手競輪「ウィナーズカップ(GII)」の決勝での脇本雄太(34歳・福井=94期)はSが遅く、古性優作(33歳・大阪=100期)に助けられた形で、現在の競輪ではSは武器だ。

深谷知広が見る眞杉匠と北井佑季のバトル

大盛況だった深谷知広トークショー

 川崎記念の最終日に深谷知広(34歳・静岡=96期)がトークショーを行った。和気あいあいと笑いの多いものの中で、準決12Rの眞杉匠(25歳・栃木=113期)と北井佑季(34歳・神奈川=119期)のもがき合いに話が及んだ。深谷は「SNSなどで賛否両論ある話だと思いますが」と一呼吸おいて自身の感想を語った。

 S班の眞杉と人気になっている北井。眞杉としてはチャンスの大きい4番手で勝てる可能性を探る、もしくは北井が踏み合わずに下げて3番手に入る(郡司浩平はこちらの可能性を模索した)…といった考えもある。

 だが深谷は「自力選手として憧れる走りだった」と燃えていた。競輪は戦い。車券投票の対象になっているが、それ以前に選手たちの戦いの場である。

 清水裕友(29歳・山口=105期)や犬伏湧也(28歳・徳島=119期)らと、どんな戦いになるのか。番組面も含めて注目してほしい。

フレッシュクイーン

奮戦する若者たち(右端=松井優佳)

 最終日(14日)の6Rで行われる「ガールズフレッシュクイーン」も6回目になる。GIができて、体系化が進む中、いろんな企画レースがあった方が選手のモチベーションも上がるだろう。特に若い選手はいきなり壁に当たることも多いので、若手、デビューから何年未満といった選手同士での争いで力を発揮し、次につなげることができる。

 松井優佳(24歳・大阪=124期)は124期のトップランナーとして大きな期待を集めている。様々な強豪選手たちがいるので、求められる結果にはまだまだ手が届いていないが、着実にGI出場に向けて歩んでいる。

 ガールズの場合は在所1位や卒記クイーンだと一気に上へ、と目されるものだが、やはり現役の先輩選手たちも強い。昨年取材した時だが、松井は「3年かけて」とじっくり目標を立てていた。こうした大会を勝てれば、その成長速度は増していくだろう。

新山はファンの思いを感じて…


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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