2024/04/19 (金) 12:00 31
西武園競輪場で4月20〜23日に開催される令和6年能登半島地震復興支援競輪「ゴールド・ウイング賞(GIII)」は平原康多(41歳・埼玉=87期)が、地元埼玉勢、そして関東一丸となって1月大宮記念(東日本発祥倉茂記念杯)のリベンジに挑む。
大宮記念の決勝は埼玉5人でトレインを形成し、盤石の態勢を築いたものの清水裕友(29歳・山口=105期)のまくりの前に沈んでしまった。平原は2着に入るのがいっぱい。今回は清水はいないが、脇本雄太(35歳・福井=94期)、深谷知広(34歳・静岡=96期)、山口拳矢(28歳・岐阜=117期)というS班勢が襲い掛かってくる。眞杉匠(25歳・栃木=113期)としても、関東の存在感を与える走りが求められる。(※編集部注:脇本雄太選手は2日目から欠場になりました)
すぐに迫るいわき平の「第76回日本選手権(GI)」に向けて、関東が牙城を築けるか。今、メンバーは常に揃っている。山口多聞(22歳・埼玉=121期)という新鋭も出てきて、楽しみなところ。関東勢は輪界を制圧できるか、の足掛かりにしたい。そのためにも、平原の復活、そして復活した平原を若手が凌駕(りょうが)していくことが大事なストーリーになる。
平原と深谷は、大宮記念の初日特選で成田和也(45歳・福島=88期)の導きもあって連係した。準決でも並び、もしかしたら今回も共闘があるかもしれない。こればかりはメンバー構成、地区ごとの勝ち上がりの状況によるわけだが、やはり一度は平原と深谷のワンツーを見たい。
シチュエーションにすべてはかかってくるものの、脇本との連係も…。
ライン、並びという競輪独特の人間模様。あまりにも奥が深くて、いつまでも面白い。そのドラマは、味わい尽くせないものがある。大宮、西武園、平原が築き上げてきたバックボーンがファンの胸を揺さぶる。
昨年の8月は熱かった。眞杉のGI初制覇が、当地、西武園「オールスター競輪」でかなったわけだが、物議を醸す吉田拓矢(28歳・茨城=107期)の暴走による失格という事象を伴った。「競輪って何?」。今、多くの新しいファンが競輪を覚えてくれている中、困惑した人たちも多かったと思う。
また、準決では吉田有希(22歳・茨城=119期)が前にいたことも忘れられない。「このドラマ、何?」。あの時は混乱の方が大きかったと思う。一つひとつ競輪を知り、近づいてもらうことが大事な時期だ。眞杉には、あの8月の戦いを引き継いでいくことこそが、使命だと思う。
川崎記念(桜花賞・海老澤清杯)の準決で見せた北井佑季(34歳・神奈川=119期)へのキバの剥き方。あれが、競輪。あれこそが、マスギ。関東を、輪界を代表する先行選手が小さな走りなどできない。その根性のまま、
まさかおじいちゃんが日光市長だったという華麗な一族に収まらない攻撃的な走りで、ファンに競輪を伝えてほしい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。