2024/01/10 (水) 12:00 27
和歌山競輪場で「開設74周年 和歌山グランプリ(GIII)」が1月11〜14日の日程で開催される。激闘の大宮記念(東日本発祥倉茂記念杯)は清水裕友(29歳・山口=105期)がS班に返り咲いての一撃を鮮やかに決めた。底力、恐るべし。今年の大躍進は、間違いない。
今年も変わらない活躍をしてくれそうなのは古性優作(32歳・大阪=100期)、そして佐藤慎太郎(47歳・福島=78期)だ。古性は完全充実期にあって、昨年はGI3つ制覇の大暴れ。ずば抜けた技術と、ナニワど根性は崩れることを知らない。支えている根底がしっかりしているので、不安はないと言っていい。
シンタロウに関しては年齢が取りざたされるわけだが、もちろん“限界?気のせいだよ!”は変わらない。
シンタロウの強さを支えているのは、どんな選手の後ろでも最高の走りができること。昨年は函館競輪の「サマーナイトフェスティバル(GII)」で犬伏湧也(27歳・徳島=119期)に後れを取ってしまったものの、これは先につながるもの。そこからの改良ができるので、あのレースが寿命を延ばしたと、結果的に言われるのではないか。
山口拳矢(27歳・岐阜=117期)と新山響平(30歳・青森=107期)のS班2人は欠場になったが、彼らと近い所にいる若者たちは存在感を見せ付けたい。寺崎浩平(30歳・福井=117期)と町田太我(23歳・広島=117期)は山口と同期で、タテ脚だけなら遜色ない。
寺崎にとっては今回、古性との共闘が大きな意味を持つ。「取れる男」を示したい。東口善朋(44歳・和歌山=85期)ら地元勢ともどれだけ熱い連係を見せられるかも重要になってくる。町田は冬の和歌山で、恐れずに風を切って「純粋なタテ脚なら町田が上」と脇本雄太(34歳・福井=94期)が話す言葉を実証したい。
そして「先を越されているばかりでは」と燃えないといけないのが坂井洋(29歳・栃木=115期)だ。仕掛けを逸するケースが目立ち、昨年はブレークできなかった。本人は「絶対的な武器が自分にはない」ことを課題に挙げるわけだが、反骨の魂は武器になる。この悔しい思いを全面的に解放して暴れてほしい。
昨年12月20日に決勝を行った静岡競輪のFⅠでは地元の内山雅貴(28歳・静岡=113期)がS級初優勝を飾った。同乗した根田空史(34歳・千葉=94期)に「前で頑張らせてください!」と言ったそうだが、根田の答えは「ウッチーの地元だから」だった。根田の先行に乗って内山は歓喜の優勝を遂げることになった。
「脚だけじゃなくて、気持ち、人間とかすべてがすごい。根田さんは、すごすぎます。必ず根田さんの前で、頑張れるように」
穏やかでおっとりとした内山が、年が明けての松戸開催に来て声を荒らげていた。人の好さがすべてを邪魔して…が根田の人生。今年こそは…。「根田さんのためなら」。南関の総意を、結果につなげてほしい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。