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伏見俊昭のいつだってフロンティア!

【伏見俊昭の三大ニュース】2023年のNo.1ニュースは、大好きな麻雀であの大物芸能人と対局した夢のような1日!

2023/12/31 (日) 12:00 21

 netkeirinをご覧のみなさま。こんにちは。伏見俊昭です。
 早いもので2023年も終わります。今年最後のコラムなので、僕自身の「2023年三大ニュース」をお話ししたいと思います。今年も1年コラムを読んでいただき、ありがとうございました。来年もぜひよろしくお願いします。

伏見俊昭(撮影:北山宏一)

プロの証でもあったスポンサーユニホーム

 まず、第3位は「スポンサーユニホーム」です。
 今ではすっかりおなじみになったスポンサー企業の名前が入ったユニホームですが、今年で終了してしまいます。何年後かには統一スポンサーの名前が入ることになるかもしれませんが、とりあえず来年のユニホームは無地になるそうです。現在は自分のオリジナルユニホームの1〜9番車分2セットを競輪場に持っていくのですが、そういう作業もなくなっちゃいますね。

 スポンサーさんの名前が胸や腕とかにつくことによって、その企業の看板を背負って走らせてもらっているという使命感が生まれ、よりプロ意識が強く持てたと感じています。時にはプレッシャーにもなりますが、勝てた時は、スポンサーさんと喜びを分かち合えたと思っています。競輪選手はプロなので企業に認めてもらえるのも『プロの証』。若い選手も「スポンサーユニホームはかっこいいなぁ」と思ったら、自分もそれを着たいから頑張るという活力にもなるでしょうし。

企業の看板を背負って走らせてもらっているという使命感が生まれるスポンサーロゴ(撮影:北山宏一)

 今は三重県松阪市の企業である大正カラーのロゴが入っています。
 昨年末にお話をいただいたのですが、その時はすでにスポンサーユニホームがなくなることは伝えられていました。なので1年しか名前を掲載できない状況。しかし大正カラーさんは「それでもいいから」と言ってくださいました。30代の若い社長さんで、幼少の頃にお父さんに競輪場に連れて行ってもらってからずっと競輪が好きだそうで。僕が優勝した2001年のKEIRINグランプリも見てくれていて「ずっとファンです」とも言ってくれました。自分で会社を興してそのロゴを僕につけて走ってもらうのが、夢だったそうです。

 松阪競輪では大正カラーカップというシリーズがあります。今年で4回目(12月8日〜10日)、やっと走ることができました。大正カラーのスポンサー選手は僕だけなので、決勝に乗っていいところを見せたいと思っていたのですが、残念ながら準決勝で敗退してしまいました…。それでも社長さんからは感動したというメッセージをいただけ、嬉しかったですね。

ロゴ入りで走れないのはさみしい(撮影:北山宏一)

 来年はロゴ入りで走れないのは、やはりさみしい。ベネクス、ラ・ピスタ新橋は始まったころからスポンサーになっていただいて、10年以上お世話になりました。サポートも色々していただいて、感謝の気持ちで一杯です。もちろん、ロゴ掲載がなくなるからといって、お付き合いがなくなるわけではありません。今は、練習着に企業ロゴを入れて着用している選手もたくさんいます。自分もそういうことで少しでも協力できたらと思っています。

 この場を借りてスポンサーになってくださった方々にお礼を言わせていただきます。

29年間愛用していたフレームの卒業

ナガサワ愛好者の小嶋敬二さん(撮影:北山宏一)

 第2位今年、29年間愛用してきた「ナガサワ」フレームを卒業しました。
昨年の暮れにナショナルチームで流行っているビッグフレームに乗りたくて、ナガサワさんに制作依頼をしました。しかしナガサワさんの体調が思わしくなくて新車が作れない状態…。僕はデビュー時からナガサワのフレームに乗っていて、どんなにいいメーカー、ビルダーが出てきても引退するまではナガサワと決めていました。ビッグフレームで違う景色を試してみたいとは思ったものの、あと何年待ったら作ってもらえるかもわからない。ナガサワ愛好者の小嶋敬二(石川)さんも乗り換えてしまい、自分が最後の一人になるまでナガサワに乗り続けるつもりでした。

 とても長い時間悩み抜き、今年2月にプレストというメーカーにビッグフレームを注文しました。決めた理由は、プレストのビルダーである本城さんに第一印象で“ビビビ”ときたから。誰が乗っているからということではなく、プレストっていうメーカーに何かを引きつけられましたね。残念ながらビッグフレームは合わず、3場所で再度ナガサワに戻すことに。本城さんには「ビッグフレームは合わなかったので一度おります。また時期が来たらよろしくお願いします」とお伝えしました。

新車のプレストフレーム(写真:本人提供)

 ナガサワのフレームは3年前に作ったもの。いつもは半年から1年で新しいフレームに交換していたので、同じフレームに3年も乗ったのは初めてです。使いこなした物って乗りやすかったり、身体にマッチはしますが、気持ちを新たに再出発したいって思った時によりいい物を求めてフレームを作りたいんです。今年の8月「オールスター競輪(GI)」が終わったときに今のナガサワに限界を感じ、次に進まなくちゃいけないと思いました。そして10月、ついにナガサワを卒業する決意をしました。本城さんがオールスターの前に「ナガサワのフレームを送ってくれれば、寸法は全く同じで新しいフレームを作る」とおっしゃってくださっていました。11月静岡FIから乗り始め、3場所目の12月松阪FIでプレスト初1着も取れて感じはいいです。

 ナガサワにもプレストにもそれぞれ良さがあります。プレストの方がちょっと軽いかな。これからも新たな発見があるかもしれないし、「相談してやっていこう」って本城さんもおっしゃってくださっているので一安心です。これからはプレストとともに戦っていきます。

第1位は大物芸能人と対局

麻雀歴35年の麻雀好き

 僕は麻雀が大好きです。日本プロ麻雀連盟という麻雀の団体があり、会長の森山茂和さんにはとてもお世話になっています。連盟が主催する大会にも何度か出場したことがあります。公式大会はDVD化されるのですが、僕が決勝に進んだ大会のDVDはパッケージに僕の写真が写っていたりします。よかったら探してみてください(笑)。

 その連盟が主催するファン感謝祭というイベントが今年6月、コロナ禍もあって4年ぶりに行われました。プロ雀士32人とアマ32人の対局で、今話題のMリーグで活躍する有名プロのほか、アマでは大企業の社長さんや有名人が参加します。有り難いことに僕もお招きいただきました。

 会場につくとまずはパンフレットが渡されます。参加者名、ルール、上位者に渡される賞品などが記載されています。その中に「ビートたけし」という名前がありました。

 え? まさかホンモノのたけしさんじゃないよね?
 たけしさん好きな社長さんか芸人さんが源氏名的な感じで出てくるだけだよね?

 親交のある麻雀プロの佐々木寿人さん(ヒサちゃんって呼んでます)に「ヒサちゃん、これってホンモノのたけしさんじゃないよね?」って聞いてみたんです。そしたら「ホンモノですよ」って…。

プロ2人+アマ2人の構成で行う感謝祭

 感謝祭は1〜4回戦の半荘4回を打ちます。卓はプロ2人+アマ2人の構成ですでに4回戦までの対戦相手が発表されています。なので自分の卓をチェックすると、プロは荒正義さん、瀬戸熊直樹さんというすごい顔ぶれ。そしてアマは僕と「ビートたけし」と記載されているではないですか!! ヒサちゃんが「伏見さんよかったですね。たけしさんと一緒ですよ」と言われても信じられず。「マネジャーさんとか付き人さんが代理で来るでしょ」って返事をしたらそれでもヒサちゃんは「来ますよ」って。森山会長にもお話できたのでまたまた「ホンモノですか?」って尋ねたら「たけしさんは来ますよ」と。さらに森山さんは、僕がきれいな打ち方をしてくれると思ったからたけしさんと一緒にした、とまで言ってくれました。会長さんに信頼してもらえるのがうれしくて、思わず「使命を全うします」と応えてしまいました。

 開会式が始まってすぐくらいの時。会場内がザワザワして、ただならぬ空気感になりました。ホンモノのたけしさんが現れて、みんな「おぉ〜っ」て感じになってました。これが超一流芸能人のオーラかと。この空気感を感じたのは人生でも数回くらいしかないですね。

 子供のころから「オレたちひょうきん族」とか「風雲たけし城」とか見ていて、たけしさんには憧れの存在。その方を生でみられるだけでも光栄なのに、これから一緒に麻雀することができるなんてって思ったらワクワクしちゃって。あの瞬間が今年一番楽しかったですね。

 “たけしさんはどういう麻雀を打つのかな?”と非常に気になりましたが、麻雀はルール死守やマナーが大事。失礼のないようにと思って打ちました。振り込んだりすると雑になったり、自分の粗さが出たりと、麻雀は性格が出る競技。たけしさんはとても楽しそうに打っていましたね。自分がたけしさんに振り込んで点数払ったのも、いい思い出です。

 そしてなんと3回戦では歌手の瀬川瑛子さんが同卓でまたまたびっくり。しかもプロは二階堂亜樹さん、魚谷侑未さんの2人とも女性で男は自分だけ。普段、女性3人と打つことがないから、それもまた緊張しましたね。4回戦は俳優でもありプロでもある萩原聖人さんと一緒。芸能人のオンパレードでドキドキが止まらなかったです。萩原さんとはトップ争いをしましたが、結局負けてしまいました…。

1年分の運を使い切ったような幸運の連続

大健闘した13位(撮影:北山宏一)

 総合成績は64人中13位。自分では健闘したと思っています。参加している有名企業の社長さんが色々と賞品を提供してくれていたのを見た瀬川さんが「私も出します」とその場で急遽、賞品を出してくれました。上位10人までは賞品が決まっていたので、瀬川さんが好きな順位の人に賞品を渡すことに。なんとそこで「13位の方に贈呈します」と僕の順位がコールされました。笑顔の瀬川さんから賞品をいただき「なんてついている日なんだ」って思いましたね。1年分くらいの運を使い切ってしまったような気分で、まるでドリームジャンボが当たったみたいです。

 そうそう、たけしさんにはたった一言だけ「麻雀はやられるんですか?」って振り絞るように話しかけることができました(笑)。すると「ゲームをよくやるんだよ」と応えてくれました。森山会長がたけしさんと会った時に、感謝祭に誘ったそうなのですが、仕事じゃない場所にたけしさんを呼ぶことができる会長の力量にも感服です。感謝祭は撮影禁止…。たけしさんとの卓を囲んだ写真で今年のコラムを締めくくりたかったのですが、さすがに無理でしたね(笑)。

「熱弁!ヤマコウの場外乱トーク」もお見逃しなく!

 競輪専門チャンネルスピードチャンネルに「熱弁!ヤマコウの場外乱トーク」という山口幸二さんが司会の番組があります。競輪選手が趣味を熱く語る内容です。今回のテーマが『麻雀』ということで僕に出演依頼がきました。そこで僕がなぜ、麻雀を好きになったのかなどを自分の口から詳しくお話していますのでぜひご覧ください。
※「熱弁!ヤマコウの場外乱トーク#11 麻雀」に出演。


 来年は1月5日から大宮競輪の「東日本発祥倉茂記念杯(GIII)」が走り始めになります。2024年もしっかり走っていきたいと思いますので、応援のほどよろしくお願いします。


 伏見俊昭選手へのメッセージや「こんなことを聞きたい」「こんな話をしてほしい」などコラムのテーマを募集します。ご応募いただいた中から、伏見選手がコラムテーマを選定します。下記の質問BOXからぜひご応募ください!
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伏見俊昭

フシミトシアキ

福島県出身。1995年4月にデビュー。 デビューした翌年にA級9連勝し、1年でトップクラスのS級1班へ昇格を果たした。 2001年にふるさとダービー(GII)優勝を皮切りに、オールスター競輪・KEIRINグランプリ01‘を優勝し年間賞金王に輝く。2007年にもKEIRINグランプリ07‘を優勝し、2度目の賞金王に輝くなど、競輪業界を代表する選手として活躍し続けている。 自転車競技ではナショナルチームのメンバーとして、アジア選手権・世界選手権で数々のタイトルを獲得し、2004年アテネオリンピック「チームスプリント」で銀メダルを獲得。2008年北京オリンピックも自転車競技「ケイリン」代表として出場。今でもアテネオリンピックの奇跡は競輪の歴史に燦然と名を刻んでいる。

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