2023/12/07 (木) 08:00 3
「暖冬」などと言われているが、寒さは一段と厳しくなり、フトコロも同じく寒風が吹き荒ぶ今日この頃。この時期の別府競輪場は強風が多く、選手たちは苦労させられる。選手にとっては対戦相手と風のダブル対策が必要になるバンクなんだよ。
もちろん我々もそのあたりを考慮して車券推理に役立てる必要があるってこと! 大きなボーナスチャンスが転がっていたりするわけだ! 参考になるかわからんが、強風のときは孫弟子・野口裕史のような大きく体重がある馬力型が良いように思うし、(オレの経験上)ベテラン選手にとっては冬の強風は難敵になってくる。
さて、上位陣に目を向ければ守澤太志、新田祐大、松浦悠士のS班が参戦。これに三谷竜生と浅井康太が優勝争いって構図かな? しかし三谷は競輪祭の落車失格の影響が気にはなる。少々割り引いて見るのもアリか! 地元の九州地区だと北津留翼が乗れているし、優勝争いに加われるデキだろうね。
また、このシリーズは妄想を演出しそうな選手も豊富だよ。まずは“地元3割増し”の阿部将大。いつも以上の力を発揮して北津留と連係できれば、もしかしてってことになるかもよ。あとは小岩大介も良いね。それに宮城の竹内智彦の差し脚が切れ切れ! 侮れねえよ。だが妄想の大本命には山口翼を挙げたい。四日市記念初日で目標に恵まれ、バンマクで岩本俊介を撃破した脚には参った。目標がなくても脚をためての“まくり一発”があり、軽視は禁物。初日から狙う価値ありと見ている!
というわけで妄想の〆は山口翼でいってみよう。初日10Rをピックアップするべ! いつものように並びから整理する。①根田空史-⑦佐々木雄一-④三浦雄大の混成ライン、中四国は②渡口勝成-⑤渡部哲男、関東コンビの③山口翼-⑨大澤雄大、九州の⑥曽我圭佑-⑧魚屋周成となり、細切れ戦だ(⇐①⑦④・②⑤・③⑨・⑥⑧)。
初手は山口の前受けからになるかね。枠なりで中団は根田が取る。曽我が切り渡口が主導権を握る。だが、力任せに根田がカマシて叩き切る。根田が渡口を叩くのに脚を消耗するとみて、番手佐々木が展開有利に抜け出すのが本線の①=⑦、渡口から切り替え突っ込む渡部へ番手車券⑤=⑦までが本線だね。
ここで妄想の出番だ。『逃げてしぶとい渡口の抵抗』がキーポイントになるべ。スタートを渋ると根田が前受けに出るだろ。そうなると渡口が枠なりに中団ってことなる。曽我が出て、山口が切るとスローペースに持ち込める。となれば、渡口が難なく主導権ってことになるよね。立ち遅れた根田が焦ってカマシて、渡口ともがき合いの展開が待ち受けているはず! これなら山口の必殺・まくり炸裂ってことなる。山口のアタマから③-⑤⑦⑨の2着を押さえ、妄想は〆となる!
冒頭で書いた通り、冬の別府は風の影響がもろに出る。当日の天気が強風なら、根田にはもってこいの気がするよ。
吉井秀仁
Yoshii Hidehito
千葉県茂原市出身。日本競輪学校第38期卒。選手時代はその逃げるスピードの速さから「2週半逃げ切る男」と称され人気を集める。1978年競輪祭新人王戦を制し、翌年も小倉競輪祭の頂点に立つ。1980年の日本選手権は完全優勝、1984年オールスター競輪でも覇者となり、選手としての一時代を築き上げた。現役引退後はTV解説者やレポーターとして活躍、競輪場での予想会イベントやYoutubeのライブ配信なども精力的におこなっている。ファンからは「競輪客のような解説者」と親しまれており、独特のひらめきによる車券戦術を数多く披露している。