2023/12/06 (水) 12:00 47
別府競輪場で12月7〜10日の日程で「開設73周年記念 オランダ王国友好杯(GIII)」が開催される。守澤太志(38歳・秋田=96期)は2021年から3年守ったS班の地位から、来年は陥落することになった。5月平塚ダービー(日本選手権競輪・GI)準決の落車で頸椎骨折。随所に復活の兆しを見せていたが、後半戦は輝けなかった。
昨年の平塚グランプリは失格となり、巻き返しを期した序盤は快調だった。2月高知の「読売新聞社杯全日本選抜競輪(GI)」では準優勝で、3月別府の「ウィナーズカップ(GII)」は決勝3着。ダービーの落車が大きくリズムを狂わせた形で、来年はもう一度のスタートとなる。
別府では2021年の6月に行われた当大会を制している。郡司浩平(32歳・神奈川=99期)のまくりを差し切った決勝だった。荒々しさが売りの面もあるが、ソツのなさも光ったレースだった。結果につながる走り、これを磨くことが今の守澤には重要だろう。結果で存在感を示し、来年に向かう。
もちろん、このままでは終わらない。
松浦悠士(33歳・広島=98期)は8月西武園競輪「オールスター競輪(GI)」の時の落車で大ケガを負った。ようやく「朝日新聞社杯競輪祭(GI)」では完全復活といえる状態になった。もちろん、別府を経て、グランプリへさらに上積みをしていく。
競輪祭後、グランプリ出場選手は約1ヶ月を丸々準備に充てるケースが多い。が、松浦は走ってリズムを作る。例年は広島記念(ひろしまピースカップ)がその舞台だったわけだが、今回はウィナーズカップを勝った別府という、いい場所でムードを作ることになる。
朗らかな表情と、緊張感を織り交ぜ、やっぱりグランプリで松浦が…をファンに知らしめるはずだ。昨年は単騎で荒野を切り開こうとした。その勇気と戦略に多くの人は感銘を受けた。グランプリでの清水裕友(29歳・山口=105期)との前後についても、この別府でより難解になるかと思う。ゾクゾクする。
新田祐大(37歳・福島=90期)も来年はS級1班になる。今年前半の戦いぶりは進化そのものだった。後半はかみ合わないこともあり、成績を残すことができなかったものの、力の衰えはない。強靭な肉体はいつまでも、武器だ。
競輪祭で北津留翼(38歳・福岡=90期)が魅せてくれた。1月の先頭誘導員早期追い抜きの失格から、汚名返上のシリーズに挑み決勝進出。悲願、ファン待望の優勝とはならなかったが、夢を見せてくれた。優勝してもグランプリ出場は規定により出られないという中、物議を醸すような優勝をしてほしかった。
何度も書いてきているが、早期追い抜き、誘導妨害の罰則規定は苛烈を極める。そして、ファンが悲しむものになっている。
なんとか、建設的再考を求めたい。
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前田睦生
Maeda Mutuo
鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。