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前田睦生の感情移入

【椿賞争奪戦】犬伏湧也の2024年は? 松井宏佑の涙の意味は…

2023/12/01 (金) 12:00 32

犬伏湧也が求められるもの(撮影:北山宏一)

競輪祭の余韻を残して

 伊東競輪場で12月2〜5日の日程で「開設73周年記念 椿賞争奪戦(GIII)」が開催される。眞杉匠(24歳・栃木=113期)が2つ目のGIタイトルを手にした競輪祭から間もない。余韻を残し、KEIRINグランプリにたどり着かなかった選手たちが、また前を向く。

 今年を席巻した犬伏湧也(28歳・徳島=119期)が出場する。GIタイトルを手にし、立川グランプリへ…と期待されたが、一歩及ばなかった。犬伏は何を思い、この大会、またヤンググランプリを走り、来年に向かうのか。(※)

 ヤンググランプリもまた豪華メンバー。
 勝つことしか求められないわけだが、今回は内容も問われる。すべてをのみ込むカマシは輪界最高といえるレベルだが、さすがに上位選手は対策を打つ。突っ張り先行も武器にしつつ、相手に合わせて戦うのか、脇本雄太(34歳・福井=94期)のように自分の仕掛けで勝利に近づくのか、問われてくる。

 そこに、「今年の悔しさ」をまじえて犬伏はまた強くなる。

(※編集部注…犬伏湧也選手は椿賞争奪戦の2日目以降欠場となりました)

松井宏佑も十字架を背負う

十字架を背負った松井宏佑(写真提供:チャリ・ロト)

 競輪祭決勝の後、眞杉の朗らかな笑顔の裏に、松井宏佑(31歳・神奈川=113期)の涙があった。深谷知広(33歳・静岡=96期)の先行に乗り、勝たなければいけない展開。それを、逃した。

 稲垣裕之(46歳・京都=86期)が村上義弘さん(引退)の後ろで同じように十字架を背負った。悔やんでも悔やみきれない敗戦があった。来年はS班に復帰して走る深谷と、松井、そして郡司浩平(32歳・神奈川=99期)のドラマは、松井の敗戦によって血の色を帯びる。

 責任の度合いを増す戦い。松井は今回、南関の主軸としての戦いになる。地元静岡勢もいるわけだが、松井がリーダーシップを取っていく決意が必要だ。

南修二という男

南修二を心配する脇本雄太の背中

 南修二(42歳・大阪=88期)の今年の活躍もうれしかった。マーカーとして全国に名を轟かし、近畿の選手たちからの信頼の厚さは大阪湾を沸騰させる。落車してもケロリとしてすぐウロウロして誰もが驚くのだが、写真はだいぶ前の競輪祭で南が落車し、ワッキーが「南さんが珍しく痛がっていて…」と心配そうに医務室を覗いているものだ。

 “100%前の選手を信頼して”というのが南の信条。かなり前だが「前の選手が落車したりしたら、危なくはないですか?」と聞いたら「その時は一緒に転ぶだけですね」と平然としていた。

 マークを寸分も外さない走りに、その時思ったことを聞いてみたのだが、「あれっ、なんか気になります?」みたいな顔をしていた。どうにも前が不発の場合はその後を考えはするわけだが、原点にあるのは、付いていくこと。

 そしてそれがブレないことが、南修二を作り上げている。

レインボーカップA級ファイナル

菊池竣太郎の勝負駆けに注目

 最終日の9Rで行われるレインボーカップA級ファイナルだが、来期S級の権利を持っていないのは山本修平(27歳・東京=115期)と菊池竣太郎(27歳・静岡=111期)の2人になる。他の7人は権利持ちなので、注目は俄然この2人。とりわけ地元の菊池に集まる。

 望月一成(27歳・静岡=111期)がいるので、地元好連係から、これからにつなげたい。

 山本は115期の卒業記念レースをこの伊東の地で優勝している。勝負強さを見せられるか。出世が遅れている逸材の一撃にも期待したい。

 どうなる!? ヤマモト!


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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