2021/05/08 (土) 21:00 14
競輪歴40年、競輪を愛してやまないJRA矢作芳人調教師。本業の競馬では調教師リーディング1位(5月2日現在)を快走。トップトレーナーならではの読みを競輪界のダービー「日本選手権競輪」予想でも発揮します! 発走は5月9日16時40分。ぜひ車券購入の参考にしてください。
競馬ファンは競馬場に行く事によって、パドックや返し馬による直前気配や馬場傾向を把握しやすいという利点があるが、コアな競輪ファンは競輪場に行ってまず風をみる。競馬における馬場状態と同様に、風向きや風力によってレース傾向が全く違ってくるからだ。
今開催も車券は実によく荒れたが、風が微妙に変化した影響もその一因である。最終日は良い天気のようだが、風の変化には注意を払いたい。
準決勝を振り返る。
9Rは佐藤慎太郎はコース取りの上手さが光った、あの技は匠の域と言える。伸び脚も良い。松岡健介は前2人の頑張りのおかげで進路が空いた。松浦悠士は大阪勢の再三の牽制にやられたが、それでも3着を確保するあたりがさすが。ただ絶好調ではないと思う。
10RはGIを連勝している郡司浩平の強さ、好調ぶりばかりが目立った。言うことなし! 浅井康太はまだ絶好調には届かない、順調と言ったところか。武藤龍生も状態の良さがわかる、嬉しい嬉しい決勝入り。
11Rは展開を活かした平原康多だが、調子自体は落車の影響が残って普通の感じ。恵まれて残った眞杉匠、ただ好調は間違いない。清水裕友は松浦同様あの展開で良く3着に残った。レースぶりに力強さが増しているし状態も良い。
さて決勝戦。大穴なら混戦でコースを突く佐藤慎も一考であるが、常識的には展開に恵まれそうな平原か、好調清水を目標に出来る松浦か、絶好調を維持する郡司か、いずれにせよ優勝はこの3強の誰かだろう。
非常に難解だが、印を付けるなら◎郡司○平原▲松浦△佐藤×浅井といった感じか。
車券は実績と心情をミックスして郡司と松浦の1,2着と1,3着、アクシデントが無い限りこの2人が3着を外すことは考えにくいからだ。「②=③→①④⑤⑦⑨」と「②③→①④⑨→②③」で勝負する。
今開催も素晴らしいレースが数多く展開された。日本選手権決勝らしい究極の力勝負を期待している。
◎②郡司浩平
〇①平原康多
▲③松浦悠士
△⑨佐藤慎太郎
✕⑤浅井康太
3連単②=③→①④⑤⑦⑨、②③→①④⑨→②③
矢作芳人
Yahagi Yoshito
東京都出身。栗東で開業するJRA調教師。父は大井競馬の矢作和人元調教師。東大合格者数日本一の開成中学・高校に入学するも、大学には進学せず競馬界を志す。オーストラリアでの修業の後、JRA競馬学校厩務員課程に入学。厩務員、調教助手を経て、2004年に超難関の調教師試験に合格。翌年厩舎開業。これまで日本ダービー2勝(ディープブリランテ、コントレイル)、米ブリーダーズカップ2勝(ラヴズオンリーユー、マルシュロレーヌ)、優勝賞金13億6000万円のサウジカップ(パンサラッサ)など国内外のGlを多数勝利。2022年は59勝で通算5度目のリーディングトレーナーに輝いた。日本・世界を代表するトップトレーナーにして、年間365日のうち360日は車券を買うという、底知れぬ競輪愛の持ち主。