閉じる
鈴木誠のハイブリッド展望

【小田原城下町音頭杯予想】SS班不在の大会で存在感を出している北井の走り! ここでも突っ張り先行を決めて、2つ目の記念タイトルを手にする!/鈴木誠の展望

2023/10/15 (日) 12:00 3

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は小田原競輪場で開催されている小田原城下町音頭杯の決勝レース展望です。

冬季移動で小田原バンクを良く知る大森が、3番手から突き抜ける展開も?

 SPEEDチャンネルの解説で、【小田原城下町音頭杯】が開催されている小田原競輪場に来ています。

 小田原競輪場は解説で呼んでもらう機会も多いだけでなく、覆面解説者の「頂」が「小田原競輪解説チャンネル」に登場する時には、なぜか、自分も競輪場に足が向いてしまいます(笑)。

 その際に場内を散策する機会もあるのですが、小田原ならではと言えるのが場内の無料湯茶サービスであり、季節ごとに違った味のジュースが提供されています。

 以前はマスカットジュースでしたが、今回は時期もあるのか梅ジュースに変わっていました。また、連日のようにイベントも開催されていますが、3日目の開催が行われた土曜日は、スタジオにも顔を出してもらった、郡司浩平のトークショーも行われていました。

 最終日となる日曜日は、午前中の天気予報こそ思わしくありませんが、それでも決勝が行われる時間は雨も上がっているようです。ファンからの声援は選手の力にもなります。皆さんの来場を心からお待ちしております。

 3日目は準決勝の11R、12Rだけでなく、一日のトータルでも3連単で10万車券が4本出るなど、波乱となるレースが続きました。明日も雨がバンクに残りそうな午前中のレースは、先行意欲の強いラインが、高配当を演出してくれるのかもしれません。

 これは来週の【寛仁親王牌】を控えて、SS班が不在であることも関係しているかと思いますが、その中でも連日の突っ張り先行で強さを証明しているのが、地元の北井選手です。

 この決勝では後ろに同じく地元の大塚選手、3番手も小田原競輪場で冬季移動をしていた大森選手が付けたことで、3車でのラインを形成できました。

 同じく3車でのラインとなったのが、宿口選手-河野選手-磯田選手の関東ライン。西日本の3人はどう並ぶかと思っていましたが、柴崎選手、久田選手、山本選手とそれぞれが単騎戦を選択しました。

 この並びとなれば、準決勝と同様に1番車を引いた北井選手が、ここでも突っ張り先行をしてくる展開が濃厚となってきます。

 怖いのは単騎勢の中でもスタートが速い柴崎選手です。もし、柴崎選手がスタートを取れたのならば、後ろにいる北井選手の動き出しに合わせる形となり、結果として大塚選手から番手を奪いに行けるからです。

 そうなれば、他の単騎の2人(久田選手、山本選手)も、その争いを目掛けて追い上げていくだけに、決勝もまた大荒れの結果になる可能性も出てきます。

 ただ、南関東ラインにとって心強いのは、3番手を固める大森選手もスタートが早く、腰の状態がそれほど良くない柴崎選手も、2人のダッシュが良かったのならば、無理にスタートを取りには行かないでしょう。

 南関東+北日本ラインが前受けをする展開となれば、その後ろには単騎の柴崎選手か、関東ラインとなります。ただ、後ろにいる宿口選手ですが、もし北井選手を抑えにいったとしても、そのまま先行体勢に入っていくことは無さそうです。

 今大会の宿口選手は捲りで結果を残していますが、脚質的に一瞬の切れよりも、持続力によった捲りであり、スピードに乗った北井選手の先行を、後方から捉え切るのは難しいと言えます。

 となれば、南関東+北日本ラインでの上位独占が濃厚となってきますが、北井選手の番手を回る大塚選手が余裕を持った走りができないようだと、3番手となった大森選手に逆転の目が出てきます。

 大森選手は北井選手-松坂選手の3番手を回った特選でも、北井選手を抜き去って2着になりました。大森選手は二次予選と準決勝を連勝と調子の良さは明らかです。また、冬季移動をしていた頃を覚えているのか、準決勝の優勝インタビューでは、地元のファンからの声援も飛んでいました。

 ただ、それよりも大きな声援を受けて走れそうなのが地元の2人(北井選手、大塚選手)であり、しかも北井選手は師匠である高木選手が、この決勝でも誘導を務めてくれます。

 北井選手は高木選手の目の前で、恥ずかしいレースはできないと思っているはずです。誘導を務めてくれた師匠の番手から発進するかのような突っ張り先行で、2つ目の記念競輪優勝を決めてくれそうです。

レース情報はこちら

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

閉じる

鈴木誠コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票