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鈴木誠のハイブリッド展望

【鳳凰賞典レース予想】関東は5車で結束! オールスターとは違った役割を任された眞杉が、次は番手となった同期森田の捲りを引き出していく!/鈴木誠の展望

2023/09/10 (日) 12:00 15

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は立川競輪場で開催されている鳳凰賞典レースの決勝レース展望です。

準決勝の先行で力を証明! 決勝では捲りに回る新山の一発に注目!

【鳳凰賞典レース】と言えば、現役だった頃の33年、そして解説をさせてもらってからの5年間を合わせても、年始に行われているイメージしかありませんでした。

 立川競輪場は400バンクにしては、みなし直線の距離が長く、風も強いので冬場は特に「重いバンク」となっていました。

 さすがに残暑の残る今大会は、そこまでバンクコンディションは重くはなっていないようです。その中で実力を発揮していたのが、準決勝でも迫力のあるレースを見せてくれた、今の競輪界を沸かしている先行選手たちでした。

 決勝にも【オールスター競輪】でGI初制覇を果たした眞杉選手、記念大会を制したばかりの北井選手に加えて、新山選手、犬伏選手も名を連ねました。それだけに驚いたのは関東の並びです。

 眞杉選手を先頭にして、後ろが同期の森田選手。以下、平原選手-佐々木選手-高橋選手となんと5車で結束しました。北日本は新山選手-守澤選手で、北井選手と犬伏選手は単騎戦となります。

 関東ラインは【オールスター】でも4車で連係しており、5車となったこの決勝でも、関東は一丸でレースに望んでいくという証なのでしょう。

 ラインの先頭を任された眞杉選手ですが、今大会はまだ勝利をあげられていません。準決勝でも突っ張り先行でライン3名での勝ち上がりを決めましたが、個人的にはタイトルホルダーになったからこそ、願わくば勝利、最低でも2着に残すような走りを見せて欲しかったとの思いはあります。

 決勝は眞杉選手がラインの前で走ることを進言しています。これも【オールスター】で吉田選手の先行が勝利に繋がっただけに、今回はラインから優勝者を出すべく、眞杉選手が積極的に動いていくのは間違いありません。

 1番車に平原選手が入っただけに、眞杉選手も難なく前受けできそうです。後ろから北井選手と犬伏選手が抑えに来ますが、そのタイミングに合わせて、先行態勢へと入っていくることでしょう。

 そうなれば森田選手の番手捲りを、直線で平原選手が交わし切れるかの裏表が本線となります。今大会の平原選手は絶好調ではないながらも、立川バンクの長い直線を生かすかのように、そつのないレースを見せています。

 むしろ、調子の良さだけでいえば、4番手となった佐々木選手に注目したくなります。もし、森田選手が後ろの仕掛けに焦って、早めに踏み出してしまうようだと、車券の頭が平原選手となるどころか、ゴール前で佐々木選手が突き抜けてくる組み合わせの車券も狙ってみたくなります。

 調子の良さだけでなく、展開的にも一発があるのではと思えるのが新山選手です。準決勝では3番手に付けていた北井選手に捲られこそしましたが、レースを作っていたのは長い距離を踏んでいた新山選手でした。

 しかも北井選手の先行を許すことなく、それでいながら3着まで残ったのは、やはりSS班としての意地と、実力を走りで見せたと思います。

 この決勝でも森田選手が番手から発進した時には、新山選手は脚を使わずに6番手に付けられています。そこからの捲り一発が、関東ラインの牙城を崩す、まさに「穴」車券ともなってきそうです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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