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鈴木誠のハイブリッド展望

【オールスター競輪予想】関東4車は吉田が先頭! 番手から抜け出す眞杉が、待望のGIタイトルを掴み取る!/鈴木誠の展望

2023/08/20 (日) 15:00 19

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は西武園競輪場で開催されているオールスター競輪の決勝レース展望です。

若手選手が台頭した今大会! 最終日も次代の競輪界を背負う選手の走りに注目!

 今年の【オールスター競輪】はシャイニングスター賞で脇本選手、松浦選手など5名の選手が落車。他にも落車の影響などから、実力のある選手たちが決勝に進めなかったのは残念です。

 その一方で楽しみな走りをしていたのが、ナショナルチームに所属する太田選手や中野選手。そしてこの決勝に勝ち上がってきた眞杉選手や犬伏選手といった、次代の競輪界を背負う選手たちと言えるでしょう。

 最近のグレードレースの決勝メンバーを見ていても、世代交代の波がやってきているのをひしひしと感じます。その時に壁となって欲しいのが、脇本選手や松浦選手といったSS班の選手たちであるだけに、まずは怪我をしっかりと治して、ベストコンディションで若手選手の挑戦を受け止めてもらいたいです。

 決勝メンバーは意外な並びとなりました。まずは関東ラインの4人ですが、先頭を志願したのが吉田選手であり、シャイニングスター賞、準決勝と逃げていた眞杉選手が番手周りとなりました。3番手以降は平原選手-武藤選手となっています。

 吉田選手としては、関東から優勝選手を出したいという気持ちの表れと共に、これまでのレースで風を切ってくれていた眞杉選手にここで借りを返したいという気持ちもあるのでしょう。

 今大会も幾度となく連携を組んできた中四国ラインも、清水選手が四国ラインの2人(犬伏選手-松本選手)には、割って入れないとの理由から別線を選択しています。

 その清水選手の後ろには、準決勝で犬伏選手の後ろを走っていた山田選手が付けました。シャイニングスター賞では落車に巻き込まれた古性選手は、決してベストな状態とは言えない中でも、地力の高さで準決勝で3着となっており、この決勝では単騎のレースを選択しています。

 4車の先陣を任された吉田選手、そして平原選手が1番車となったことで、関東ラインの突っ張り先行が濃厚な流れとなりました。

 車番的に関東4車の後ろに付けていそうなのが犬伏選手です。そこに単騎の古性選手が付けていて、8番手となった清水選手が前を抑えに行く展開となりそうですが、吉田選手に突っ張られた場合には、関東4車の後ろに降りてくるのではと思います。

 そして、後方となった犬伏選手が捲ってきますが、直線が短く、捲りが届きにくい西武園バンクの形状を生かすかのように、眞杉選手が番手から早めに発進。平原選手や武藤選手を連れたまま、ゴールまで押し切るレースとなりそうです。

 今大会は平原選手よりも武藤選手の方が調子がいいだけに、ゴール前で前を抜きさる可能性も考えられます。また、古性選手は機を見て関東ラインの後ろに切り替えていそうなだけに、その場合は2着まで届く車券も抑えておいた方がいいでしょう。

 ただ、犬伏選手の出来の良さは別格です。関東4車が先行しても、少しでも緩む瞬間があるのならば、一気に交わしていくと思います。その時に松本選手が付いて行けず、眞杉選手がその後ろに入った場合には、2人の裏表で決まる3連単の組み合わせもありそうです。

 いずれの展開となっても、この決勝で優勝に最も近いのは眞杉選手であるのは間違いありません。状態の良さに加えて、今大会はレースの上手さも見せているだけに、24歳での初ビッグタイトルは濃厚だと思います。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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