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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

【オールスター競輪予想】きょうの推奨穴レースは2つ!帝王・山田裕仁が”買えるヨーロッパ”を紹介

2023/08/19 (土) 09:00 15

GI開催特別コラム「山田裕仁の一発逆転!波乱注意報」。帝王・山田裕仁が、開催前半〜中盤までの選手の調子をチェックし、展開から"買えるヨーロッパ(468)"を紹介。元選手ならではの視点から狙い目の2レースをお届けします。▶山田裕仁の見解と買い目はこちら

ヨーロッパ(468)とは?
 競輪では各レースにおける「能力的にやや見劣る選手」「競走得点の低い選手」が、4番、6番、8番に入ることが多いことから、ひとくくりにしてこのように呼ばれています。とはいえ、展開やデキ次第では上位への食い込みが十分に可能。その場合には高配当も期待できます。そんなヨーロッパの中から、とくに好走&激走が期待できそうな選手と推奨理由について解説します。

昨日強いメンバーを相手に一変した野口

【予想レース①】
西武園2R オールスター競輪(GI)S級特一般

①阿竹智史(90期=徳島・41歳)
②三谷将太(92期=奈良・37歳)
③小原太樹(95期=神奈川・35歳)
④大川龍二(91期=広島・38歳)
⑤横山尚則(100期=茨城・32歳)
⑥野口裕史(111期=千葉・40歳)
⑦野田源一(81期=福岡・44歳)
⑧橋本優己(117期=岐阜・23歳)
⑨渡部哲男(84期=愛媛・43歳)

【並び予想】
←④①⑨(中四国)⑧②(中部近畿)⑥③⑤(混成)⑦(単騎)

【注目のヨーロッパ】
⑥野口裕史
⑧橋本優己

野口裕史(photo by Shimajoe)

 波乱決着が続く今年のオールスター競輪。4日目の11レースでは、人気選手の大量落車があった影響で、3連単478,990円という驚異的な高配当が飛び出した。5日目も一筋縄ではいかないレースばかりだが、序盤の「ヨーロッパ」で面白そうなのは、この第2レース。かなりオッズが割れそうな一戦だが、人気を集めるのは南関東勢の番手を回る③小原太と、その後ろについた⑤横山尚あたりだろう。

 そんな2人の前を任されたのが⑥野口裕で、バック数は22回と圧倒的。ここも当然、積極的に主導権を奪って逃げる作戦だろう。⑥野口裕は、初日が9着で2日目も9着という惨憺たる結果に終わっていたが、4日目にはなかなか強いメンバーを相手に一変。打鐘で後方から前を叩ききって主導権を奪い、そのまま粘って2着に。ラインで上位独占という結果の立役者となった。

 もっとも、本来の力を出せればこれくらいはやれる選手。番手の③小原太やライン3番手の⑤横山尚のほうが売れるならば、ここは妙味がありそうな⑥野口裕に食指が動く。番手の③小原太に差されるカタチの③→⑥は押さえるべきだが、どちらかといえば⑥→③を本線で狙いたいところ。スジ車券なので高配当にはならないだろうが、⑥→③のほうで決まれば、悪くないリターンとなるはずだ。

 ヨーロッパ絡みで高配当を狙うならば、ここまで8着、5着と冴えない結果に終わっている⑧橋本優がオススメ。近畿の②三谷将と組んで中部近畿ラインを結成するも、2車ラインというのもあって人気にはならないだろう。しかし、こういう波乱含みの舞台で自分らしいレースに徹して、人気薄でしれっと上位に食い込んでくるようなタイプでもある。個人的には、④大川龍が先頭の中四国勢よりも、こちらに魅力を感じる。

 というわけで、この波乱パターンでは⑧橋本優を1着で狙う車券を推奨。番手を回る②三谷将が2着のカタチが本線となるが、こちらは別線を絡めた「スジ違い」の車券まで手を伸ばして、手広く狙ったほうが面白い。ここまでの結果を踏まえて考えるに、このシリーズはどのレースも、ある程度は荒れることを前提に車券を買ったほうがいいはず。デキのいい選手が少ない序盤のレースなのだから、なおさらである。

仕上がっている小松崎

【予想レース⓶】
西武園7R オールスター競輪(GI)S級特選

①吉澤純平(101期=茨城・38歳)
②守澤太志(96期=秋田・38歳)
③町田太我(117期=広島・23歳)
④小松崎大地(99期=福島・40歳)
⑤岩津裕介(87期=岡山・41歳)
⑥菊池岳仁(117期=長野・23歳)
⑦東口善朋(85期=和歌山・43歳)
⑧坂口晃輔(95期=三重・35歳)
⑨岡村潤(86期=静岡・41歳)

【並び予想】
←④②⑨(混成)③⑤(中国)⑦(単騎)⑥①(関東)⑧(単騎)

【注目のヨーロッパ】
④小松崎大地(1着での狙い)
⑧坂口晃輔(2〜3着での狙い)

小松崎大地(写真提供:チャリ・ロト)

 ラインが3つに単騎が2車という細切れ戦。どのラインの先頭も先行にこだわりが強いタイプであり、どういった展開になるのか読むのが非常に難しいレースとなった。中国勢の先頭を務める③町田太や、関東勢の先頭を任された⑥菊池岳も侮れないが、ここは唯一の3車ラインでデキのよさも目立つ、④小松崎が主導権をもぎ取る可能性が高いとみている。立ち回りの巧さは、ここでは一枚上だ。

 二次予選こそ6着と好結果を出せなかった④小松崎だが、初日の2着や3日目の3着は内容もよく、ここを目標に身体をかなり仕上げてきた印象。準決勝進出は逃したが、ここは番手をS級S班の②守澤太が回るという点から、負け戦とはいえ気合いが入る。番手の②守澤太の気配はいまひとつで、これならば差されずに④小松崎が先頭でゴールを駆け抜けるシーンも見られそう。②→④よりも④→②のほうを厚めに狙いたい。

 とはいえ、③町田太や⑥菊池岳が相手となると、予想以上に展開がもつれるケースも十分に考えられる。そこで、展開をついての浮上がいかにもありそうなのが、単騎を選んだ⑦東口善と⑧坂口晃だ。とくに注目したいのが、各選手のマークが⑦東口善よりも薄くなりそうな⑧坂口晃。じつは近況かなり調子を上げてきており、このシリーズでも3着、4着、4着と地味にいい走りをしている。狙って本当に面白い単騎は、こちらのほうだ。

 ③町田太と⑥菊池岳の比較ならば、総合力で勝るのはやはり前者。初手の位置取り次第ではあるが、⑧坂口晃が道中うまく中国勢の後ろにでもつけられると、非常に面白い。とはいえ、さすがに⑧坂口晃が1着まで突き抜けるカタチは考えづらいので、2着もしくは3着に固定で狙うのを推奨したいところ。かなりの人気薄となりそうで、うまくハマれば超高配当まで狙える。

 以上、堅い決着を予想するならば④小松崎の1着を、波乱含みと考えるならば⑧坂口晃の2〜3着を狙うというのが、推奨するヨーロッパ車券。基本的にはどちらかを片方を選択していただくイメージだが、この二正面作戦には“両立”があり得るので、「④小松崎が1着で2〜3着に⑧坂口晃」という買い目を本線に設定して、ここを主体に買い目を構築してみるのも一興だろう。

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山田裕仁の一発逆転!波乱注意報

山田裕仁

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校第61期卒。KEIRINグランプリ97年、2002年、2003年を制覇するなど、競輪界を代表する選手として圧倒的な存在感を示す。2002年には年間獲得賞金額2憶4434万8500円を記録し、最高記録を達成。2018年に三谷竜生選手に破られるまで、長らく最高記録を保持した。年間賞金王2回、通算成績2110戦612勝。netkeirinでは当コラムのほかに、グレードレースを総括する「山田裕仁のスゴいレース回顧」も担当。

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