「上手さ」のある松浦は、臨機応変な走りで優勝を狙っていく！

【瑞峰立山賞争奪戦】が開催されている富山競輪場は、市内を走る電車に乗って「競輪場前駅」で下車すると、その名前通りに目の前に競輪場があります。

　富山駅とのアクセスも良い上に、北陸新幹線が開通した今では、電車を使って競輪場入りする選手も増えたようです。自分も昨年に富山競輪場で予想会の仕事があった時には、電車を使って移動をしました。

　飛行機で移動していた現役時は、タクシーに乗ることが多かっただけに、電車で街並みをのんびりと眺められるのは、風情があっていいなあと思ったものです。

　バンク内では記録的な暑さにも負けない程の、熱いレースが繰り広げられていますが、一次予選から自分の持ち味を発揮していたのが、ともにここまで3連勝で勝ち上がってきた、北井選手と眞杉選手です。

　まずは準決勝の11レースを勝ち上がった眞杉選手ですが、捲っていった際の「速さ」もさることながら、先行勢の好位にスッと入っていったた走りには「上手さ」も感じられました。

　12レースの北井選手も眞杉選手と同様に、突っ張り先行の体勢から、先行したラインの3番手に入り、ホームからの捲りを見せていきます。

　他のラインは北井選手の持ち味である先行を封じるべく、包囲網を引いていたはずです。それでも果敢に突っ張っていった走りが、結果的に先行したラインの3番手という絶好の位置を取れただけでなく、333バンクの短走路とは言えども、番手の郡司選手を抜かせなかった「強さ」としても表れました。

　この決勝でも、北井選手と眞杉選手の先行争いがポイントとなります。並びは北井選手-郡司選手と神奈川の両者の後ろに、郡司選手との連係実績がある佐藤選手が付けたことで、3車でのラインを形成しています。

　同じく3車でのラインとなった中四国の並びは、松浦選手-柏野選手-小倉選手となりました。関東が眞杉選手-恩田選手で、浅井選手は単騎戦となります。

　スタートをどちらが取るかにも注目が集まりますが、2番車に郡司選手が入っているだけに北井選手が前受けをして、そこからの突っ張り先行となりそうです。

　その場合、北井選手が眞杉選手のことを突っ張り切れるか、もしくは眞杉選手が捲れるかで車券の結果はガラリと違ってきます。

　北井選手が突っ張り切った場合には、番手を回る郡司選手の優勝の可能性が高くなるだけでなく、その後ろを回る佐藤選手にもチャンスが出てきます。

　調子のいい北井選手とは言えども、決勝のメンバーを相手にして、2周半の距離を逃げ切るのは難しいかと思います。

　眞杉選手を抑え込んだとしても、スピードが落ちたのを見計らった松浦選手や、浅井選手が捲りを狙ってきます。その前に郡司選手が番手捲りをしてくるはずであり、佐藤選手との直線勝負が人気サイドとなりそうです。

　もし、眞杉選手が捲り切れた場合には、関東ラインの後ろを回っているであろう、浅井選手だけでなく、その3人の後ろに切り替えていそうな、松浦選手が俄然有利となります。

　先ほど、眞杉選手の走りを「上手さ」と表現しましたが、このレースで更に「上手い」走りを見せていたのは、インから眞杉選手の番手を奪っていった松浦選手でした。

　浅井選手は眞杉選手が出切った場合、その上から先捲りを放っていきますが、松浦選手ならばその動きに反応できるはずです。穴となりそうなのは、この2人の組み合わせだと見ています。

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