2021/04/25 (日) 12:00 6
こんにちはヤマコウです。武雄記念競輪大楠賞争奪戦も決勝戦を迎えました。
地元の山田英明、庸平兄弟が決勝に乗りました。何回も書いていますが、兄弟で決勝に乗る機会はなかなかありません。
僕も弟の山口富生(68期・岐阜)と一緒に走ったのは2回。一度走ると色々と感じることもあって、「次はもっと貢献できるように…」と思ったものです。
あの緊張感の中で練習でいつも見るお尻を見ると、何となく落ち着いてレースに集中できました。グランプリと一緒で「また走りたい」という気持ちにさせてくれます。
前を走る弟・庸平がどんな走りをするのかでレースは一変するでしょう。
メンバー、ラインは以下の通り。
⑧山田庸平(94期・佐賀)ー①山田英明(89期・佐賀)
②郡司浩平(99期・神奈川)ー④岩本俊介(94期・千葉)ー⑨佐藤慎太郎(78期・福島)
⑤清水裕友(105期・山口)ー③松浦悠士(98期・広島)ー⑦小倉竜二(77期・徳島)ー⑥室井健一(69期・徳島)
⑧庸平は「兄貴に優勝してもらいたい」、②郡司や⑤清水、③松浦は「ダービーを見据えた走りを」と思ってレースに挑むでしょう。
では各々どんな思惑で走るのか? まず⑧庸平。
ライン3車いたら先行も視野に入れるでしょうが、今回は2車。先行して①英明が番手まくりの展開になったとしても、真後ろにいるのは②郡司か⑤清水なので兄貴を差して優勝の可能性が高い。これを⑧庸平が先行で組み立てない根拠とします。先行でないとすると、1番車を活かして初手は中団を取り、前々勝負(飛び付き含み)になると考えます。
理想は先行するラインの番手ですが、このレースは②郡司も⑤清水もかまして主導権を取るのが理想だと思うので、中団を狙うと立ち遅れます。かといって「前受け」しても絶対的な脚力が違うので後方凡走の可能性もある。それなら中団で立ち遅れないような組み立てをしてくると思います。
前は誰が取るのか?
中団を山田兄弟が狙うので前を取らないと後攻めになります。
初日、⑤清水は②郡司をカマせませんでした。⑤清水の性格を考えると、もう一度同じ戦法で郡司をねじ伏せに行くと思います。「郡司さんに一番多く番手まくりで併されている」と川崎桜花賞決勝後にコメントしているように、ダービー前に力量をタイに持っていきたいところでしょう。
そう考えると前受けは⑤清水になります。
S.⑤③⑦⑥、⑧①、②④⑨
②郡司がまずレースを動かします。それに併せて⑧庸平が②郡司を牽制しながら番手、もしくは中団を取りに行くと思います。
←⑤③⑨⑥
打鐘.②④⑨
⑧①
⑤清水が巻き返すチャンスをうかがいます。全日本選抜決勝では深谷知広が全開で打鐘〜ホームを通過したので、カマしにすら行けず惨敗。今回はそこまでペースは上がらないと見て⑤清水が仕掛る。巻き返しが早いと②郡司も引いてまくり勝負。
H.⑤③⑦⑥、②④⑨
⑧①
バックで②郡司が仕掛け、牽制する③松浦。
←② ④⑨
↖︎③⑦⑥ ⑧①
B.⑤
清水がここまで頑張るなら、優勝しかない③松浦は張りながら縦に踏むと思います。②郡司とのもがき合いを制し⑤松浦が優勝。②郡司が踏み勝つことも…
3=2ー7819
3着には③松浦の後ろの⑦小倉、②郡司の後ろを回っていそうな⑧庸平①英明、突っ込むコース取りがうまい⑨佐藤慎太郎を狙います。
ダービー前に連敗は許されない⑤清水にとっても大事な一戦だと言えます。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。