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前田睦生の感情移入

【金鯱賞争奪戦】“ダービー王”山口拳矢、強力北日本を破る武器は…

2023/07/26 (水) 12:00 27

山口拳矢の潜在能力は高すぎる

北日本に強力メンバー揃う

 名古屋競輪場で「開場74周年記念 金鯱賞争奪戦(GIII)」が7月27〜30日の日程で開催される。“ダービー王”山口拳矢(27歳・岐阜=117期)に熱視線が集まるわけだが、今回は北日本勢の顔触れが強力だ。

 新田祐大(37歳・福島=90期)、守澤太志(38歳・秋田=96期)のS班2人に小松崎大地(40歳・福島=99期)と、豪華布陣だ。山口としては常に願っているさらなる若手の成長で、『中部として戦うこと』が重要になるが、まだ厳しいのかもしれない…。

 となるとやはり、自力での戦いになる。しかし、それでも何とかしてくれる武器がある。現在のトップスピードは輪界でも有数。近況の上がりタイムのすさまじさは、脇本雄太(34歳・福井=94期)に追い付こうとしている。脇本は逃げてもとんでもないタイムを出すので、別格は別格だが、山口が戦えるスピードを持っていることは疑いようもない。

アボカド専門店のバイトを1日でクビ!?

新田祐大に援軍揃う

 先日、加藤慎平さんが主催する競輪配信番組の「ぺーちゃんねる」に山口が出演した。そのとき「アボカド専門店のバイトを1日でクビになった」という破滅的なエピソードを披露していた。これもまた度肝を抜くスピードなのだが、アボカド専門店のバイトをしようというセンスもまたすごい。シブい。

 どんな世の中でもそうだと思うが、人と違うことは武器になる。持ち前のスピードと、少しぶっ飛んだセンス。“ダービー王”にたどり着くには、それに見合う力、ポテンシャルを持っていたと言える。

平原康多は一歩一歩か

平原康多が復活の道を突き進む

 平原康多(41歳・埼玉=87期)は函館競輪「サマーナイトフェスティバル(GII)」で決勝に上がった時、「信じられないくらい」と話した。落車続きで大ケガに泣かされ…の中だ。平原にして、この言葉。苦しんでいる…。

 状態面はまだまだかもしれないが、結果につながるということは確実にプラスになる。坂井洋(28歳・栃木=115期)がいるので、前を任せるケースも普通にあるだろうが、動くレースも見てみたい。平原は必ず、扉をこじ開ける。

 嘉永泰斗(25歳・熊本=113期)にも大注目だ。函館の最終日は郡司浩平(32歳・神奈川=99期)の先行をまくって1着を手にした。「郡司さんはさすが」と、勝ったことを喜ぶ様子はなく、そこで自分に足りないものを考えていた。今や、S班と同じ力はある。後は、勝ち続けることができるかどうか、だ。

 今回のメンバーの中、力で制することができれば西武園は堂々、優勝候補の1人と名を挙げることになる。それが、ふさわしい男でもある。7月23日にはサテライト薩摩川内でのトークショーも大盛況だった。訪れたファンの方は「嘉永のレースが、カッコ良くて好き!」と叫んでいた。

 熊本所属の選手だが、嘉永のGI優勝報告会は、熊本競輪場と鹿児島のサテライトでもやってほしい。

嘉永泰斗が時代を築く


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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