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鈴木誠のハイブリッド展望

近畿の5車は3対2で別線を選択!ただ絶対王者の脇本に、河野が競りを挑んでいったことで混戦は必至?

2023/07/25 (火) 12:00 12

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は福井競輪場で開催されている不死鳥杯の決勝レース展望です。

脇本が藤井の番手にこだわるようだと、古性-稲毛の捲りが決まる!

 福井競輪場で行われている【不死鳥杯】の主役を務めているのは、ここをホームバンクとしている脇本雄太選手です。

 二次予選は前団を捲りきって、バンクレコードタイの上がり10秒6を記録。準決勝でも逃げて10秒7と、非の打ち所がないレースを見せています。

 今大会は弟の脇本勇希選手との兄弟あっせんも話題となっていました。残念ながら決勝では兄弟での連携とはなりませんでしたが、それでも近畿だけで5人が決勝に進出しています。

 その並びはどうなるかと思っていたのですが、藤井選手の後ろには脇本選手-鷲田選手と福井の2人が並び、古性選手-稲毛選手と別線を選択しました。

 ただ、目標の無かった河野選手は、藤井選手のジカ付け、つまり脇本選手との競りを主張しました。河野選手は競りの相手を脇本選手ではなく、その後ろの鷲田選手にする作戦もあったかと思います。

 ただ、脇本選手の後ろで2着を狙っていくよりも、マーカーとして勝ちに行くレースを選択したと言えそうです。そして準決勝と同じ並びとなったのが、清水選手-柏野選手で、佐藤選手は目標を決めずに単騎のレースを選択しました。

 1番車が脇本選手だけに、前受けをするのは藤井選手となりそうです。佐藤選手を挟んだその後ろにいるのが清水選手-柏野選手。8番手となった古性選手-稲毛選手が藤井選手のインを切りに行ったのを見て、清水選手が先行体勢に入りますが、すかさず、車を下げた藤井選手が発進していくはずです。

 問題となってくるのが、その後ろで行われている脇本選手と河野選手の競り合いです。横の動きが強いのは河野選手ですが、脇本選手には桁違いのスピードがあります。

 脇本選手は河野選手に藤井選手の番手を奪われたとしても、3番手から追い上げていったのならば、地元記念での優勝に近づくはずです。ただ、藤井選手の番手を主張し続けた結果、内に包まれるようなレースとなるようだと、古性選手-稲毛選手のラインが捲り頃となります。

 今大会の古性選手は調子が戻り切っていない一方で、稲毛選手は着順の良さにも表れているように調子の良さが目立ちます。三連単の頭で稲毛選手が来たら高配当も望めそうなので、その買い目も予想には入れておきます。

 全国的に記録的な暑さとなっていますが、冷房が効いている室内と、体感気温は40度を超えているのではないかと思えるようなバンクに出てレースをしている選手たちは、調整も含めてかなり大変だと思います。

 こうなるとレースに向けての集中力も途切れがちになりがちですが、決勝は混戦必至のレースとなるだけに、各選手が勝つための気持ちを途切れさせることなく、いいレースを見せてもらいたいと思います。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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