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加藤慎平のオニチェック!気になるあの選手のココを見よ!

【加藤慎平の選手解説】GIレベルの先行力を身につけて不器用さをカバーしたい犬伏湧也

2023/07/04 (火) 12:00 51

元グランプリレーサーで競輪評論家の加藤慎平さんがビッグやグレードレースで推したい注目選手を紹介。競走データからは見えてこない選手の特徴を解説します。今回は小松島競輪で6日から9日開催される「阿波おどり杯争覇戦(GIII)」で、地元のエースとして優勝を狙う犬伏湧也選手です。

先行スタイルに磨きをかけ成長中!将来はGI奪取も

 今回紹介するのは、筆者が“次世代のGIレーサー有力候補”と太鼓判を押す犬伏湧也選手だ。119期のデビュー3年目ながら、爆発的なダッシュ力(トップスピードに到達するまでの速さ)を武器に、メキメキ頭角を現している。今後、間違いなくGIを奪取するだろう。

 直近4か月の脚質を見ると、「逃げ」が約7割、「捲り」が3割、100%自力型の選手だ。

 その中でも、デビュー当初の犬伏選手はライバルに警戒されるがあまり「捲り」や「カマシ」が多かったが、ここ最近は「逃げ」にシフトチェンジしてきた。本来、犬伏選手が得意とする「捲り」や「カマシ」に加え、意識的に逃げを選択しているように映る。

 犬伏選手のようにレーススタイルが極端だと、そのぶんライバルに戦法を読まれやすいデメリットもある。特に犬伏選手は、前受けから突っ張り先行が出来なければ打鐘前で最後方のラインまで引く場面も多く、レース中の位置取りが極端になるきらいがある。

 そうなると「捲り」が不発に終わってしまう脆さも出てくる。きっと犬伏選手自身も、器用さや柔軟性に欠ける弱点を自覚しているはず。先行スタイルに磨きをかけ、かつGIの大舞台で渡り合っていくための地脚を身につけようとしているのだろう。テーマが非常に明確だ。

 実際、今の犬伏選手は、残り2周から突っ張って先行し、そのまま粘り切るレースも見せている。課題の一つだったスタミナも付いてきた。先行も良し、捲りやカマシも良しと、相手に付け入る隙を与えなくなってきつつある。

「阿波おどり杯争奪戦(GIII)」は、犬伏選手にとって地元凱旋のレース。相手を迎え入れる立場なだけに、第一走では先行してかなり長い距離をもがいてくるはずだ。そこで最後まで粘り切れるのか、それとも第4コーナーあたりで失速してしまうのかーー。開催の調子を見極めるバロメーターになるだろう。

 あとは”同番組に先行選手がいる時”は気をつけたい。犬伏選手は熱が入りやすい性格なこともあり、先行した相手を必要以上に追いかけてしまう展開も考えられる。そうなるとオーバーペースとなったり、最後に減速してしまう負けパターンや時には自分の番手選手が離れて別線の自力選手が番手にハマってしまう事もあり得る。

 特に今開催では、自力先行型でSS級の新山響平選手の名前もある。同番組でぶつかった際、犬伏選手がどう立ち回るのか見ものだろう。

犬伏湧也選手3行メモ
武器はトップスピードに到達する速さ
レースの組み立てに柔軟性を欠くのが課題
初日のもがく距離と自転車の進みを見て調子を判断

昨年の阿波おどり杯争覇戦(GIII)は2日目の二次予選で敗退も3勝(白・1番)。今年は地元のエースとして優勝が期待される(photo by Shimajoe)

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加藤慎平

岐阜県出身。競輪学校81期生。1998年8月に名古屋競輪場でデビュー。2000年競輪祭新人王(現ヤンググランプリ)を獲得した後、2005年に全日本選抜競輪(GI)を優勝。そして同年のKEIRINグランプリ05を制覇し競輪界の頂点に立つ。そしてその年の最高殊勲選手賞(MVP)、年間賞金王、さらには月間獲得賞金最高記録(1億3000万円)を樹立。この記録は未だ抜かれておらず塗り替える事が困難な記録として燦々と輝いている。2018年、現役20年の節目で競輪選手を引退し、現在は様々なメディアでMC・解説者・コメンテーター・コラムニストとして活躍中。筋トレ、サウナ、ゲームなどに造詣が深い。

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