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鈴木誠のハイブリッド展望

【よさこい賞争覇戦予想】中四国は広島の3人と四国の2人で別線を選択!準決勝で脇本の捲りを封じ込んだ町田の先行から、松浦が番手捲りを決める!/鈴木誠の展望

2023/04/09 (日) 12:00 10

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は高知競輪場で開催されているよさこい賞争覇戦の決勝レース展望です。

犬伏が広島ラインを叩いていったのならば、町田にとっては絶好の展開に?

【よさこい賞争覇戦】の準決勝は10レースが新田選手が1着で、2着が平原選手。11レースは松浦選手が勝利と、S級S班の選手が順当に決勝へと勝ち上がってきました。

 ただ、12レースでは大本命だった脇本選手ですが、7番手から捲り切れずにまさかの7着に敗退。先行した町田選手がそのまま押し切って勝利しています。

 この12レースですが、中四国ラインを追走していた松川選手が2着に入ったこともあって、三連単は140,750円という大波乱になりました。

 自分も配信番組に参加しながら、この結果にはビックリしましたが、改めてレースを見返してみると、これは町田選手が強かったとした言いようがありません。

 脇本選手はこれまでと同じように、大きく車間をあけた位置からの捲りとなりました。それでも上がりタイムは、二次予選と同じ13秒5を記録しています。

 一方、先行した町田選手の上がりタイムは14秒3ですが、その前から動いていてのタイムだけに、さすがの脇本選手でも12秒台の上がりを出さないと、とても捲り切れません。

 今大会は松浦選手や町田選手といった、中四国の選手たちの活躍が目立っています。決勝にも中四国だけで5名が進んできましたが、町田選手-松浦選手-才迫選手で並ぶ広島ライン。そして犬伏選手-宗崎選手の四国ラインと、さすがに別線を選択しました。

 意外だったのは九州の2人で、新田選手の後ろには荒井選手、平原選手の後ろが松川選手となっています。この並びは格上の荒井選手が決めたのかなと思いきや、松川選手が自ら平原選手の後ろを希望したようです。

 この並びとなれば優勝のチャンスに最も近づくのは、町田選手の番手となった松浦選手です。今大会の町田選手は絶好調ですし、この決勝でも先行したとするなら、S級S班の新田選手や平原選手と言えども、そう簡単には捲れないでしょう。

 となると、鍵を握るのは脚力的には互角と言えそうな、犬伏選手となります。その犬伏選手ですが、1番車と言えどもここはスタートを取らずに、平原選手-松川選手、新田選手-荒井選手を先に行かせて、5番手からレースを進めていく作戦を取ってくると見ています。

 7番手まで下げているであろう町田選手は、犬伏選手を警戒しながら先行体制に入っていきますが、犬伏選手はその後ろから町田選手のことを叩いていくはずです。 ここで町田選手が突っ張っていった場合、町田選手に軍配は上がると見ていますが、そうなれば、番手の松浦選手には願っても無い展開となります。

 ただ、犬伏選手を先に行かせた場合には、町田選手にチャンスが出てきます、3番手からの捲りとなれば、いくら松浦選手と言えども、かかっている町田選手を交わしきるのは難しいかもしれません。もし、三連単を買う場合には、この展開も考慮する形で、松浦選手と町田選手の裏表も押さえておいた方がいいと思います。

 S級S班の2人(新田、平原)に勝機が向くとするのなら、町田選手と犬伏選手がやり合った場合に、広島ラインの後ろを回れた場合となるでしょう。

 その時は車番的にも平原選手が後ろにいるのではないかと思います。ただ、準決勝もそうでしたが、最近の新田選手は内から捌いてくるだけに、広島ラインの後ろを取れなくとも、自分で何とかしてくるはずです。

 それでも、松浦選手が優勝に最も近いのは間違いありません。今大会は番組にも恵まれた印象はありますが、それでも二次予選では町田選手、準決勝では犬伏選手をゴール前で差し切って優勝。状態面の不安も無いだけに、この決勝では車券の中心となってくれるはずです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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