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鈴木誠のハイブリッド展望

【北条早雲杯争奪戦予想】4車となった南関東ラインは、特選と同様に深谷の突っ張り先行が濃厚! 番手から抜け出した郡司が勝利を掴み取る!/鈴木誠の展望

2023/04/16 (日) 12:00 11

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は小田原競輪場で開催されている北条早雲杯争奪戦の決勝レース展望です。

ダッシュ力のある新田のスタートと、捲り一閃を狙う眞杉にも注目!

 自分とよく似ていると噂になっている、覆面解説者の「頂」もインターネット中継に頻繁に出演しているなど、小田原競輪場とは何かと縁があります(笑)。

 今回の【北条早雲杯争奪戦】でもSPEEDチャンネルの解説と、ガールズ予想会の解説をさせてもらっています。あいにくの雨が降った3日目は、イベントの場所が変更されるといった影響も出ていました。

 あいにくの雨となったのは、3日目に出場した選手たちも一緒でした。雨で濡れた走路は、ちょっとした接触でも大きくバランスを崩してしまうだけに、中を割っていきたい選手たちは仕掛けを躊躇しているようでした。

 そこに直線の短さも手伝う形で、準決勝でも先行したラインの勝ち上がりが目立っていました。その中でも10レースは飯野選手の番手を、守澤選手と北井選手が番手を取り合ったことで、その後ろにいた眞杉選手に展開が向く形となりました。

 11レースはイン粘りをした新田選手が、松井選手の番手を奪い、そこから捲っていって勝利をあげています。

 その時の仕掛けがいく分早いようにも見えましたが、これは決勝における南関東の戦力を削ぐためにも、松井選手を3着以下に退けたいとの気持ちもあったのではないかと見ています。

 それでも3着は佐々木選手となり、12レースでは上位独占を果たした3人(郡司選手、内藤選手、深谷選手)と共に、南関東ラインは4車で決勝に臨むことになりました。

 その並びは深谷選手-郡司選手-内藤選手-佐々木選手。準決勝と同じ並びとなったのが、新田選手-和田選手の北日本ラインと、眞杉選手-雨谷選手の関東ライン。記念大会では久しぶりの決勝となった神田選手は単騎となっています。

 ラインの先頭を任された3名の中で、最も先行意欲が強いのが深谷選手。しかも1番車は郡司選手となっているだけに、南関東ラインがスタートを取ってからの、突っ張り先行が濃厚な並びとなりました。

 南関東ラインの前受けからの深谷選手の突っ張り先行は、初日の特選と似たような展開と言えます。

 ただ、その後の並びが変化しそうです。特選では7番手だった眞杉選手が、車番的に北日本ラインの後ろとなり、一方で5番手だった新田選手は、この決勝では8番手となりそうです。

 後方となった新田選手は、ジャンの前に深谷選手を抑えにいきますが、深谷選手も突っ張っていくはずです。ここで両者がやりあっていくようだと、後ろで脚を溜めている眞杉選手には絶好の捲り頃となってしまいます。

 深谷選手の番手に入っている郡司選手も、展開次第では早めに仕掛けていくはずです。後方になったとは言えども、新田選手が単純に深谷選手を抑えていくのは、あまり得策ではありません。

 ならば、新田選手は持ち前のダッシュ力を生かす形で、スタートを取りにいくべきかと思います。その展開となれば南関東ラインを後方に置くことができるからです。

 後方から深谷選手が一気に先行体勢へと入った時、番手の郡司選手は問題ないかと思いますが、ダッシュ力で劣る内藤選手は、2人から離れてしまう可能性もあります。

 最近はイン粘りも見せている新田選手ですが、そこで内藤選手の位置を奪い取り、深谷選手のスピードに乗っていきながら、3番手からの捲りを繰り出していけば、勝機は見えてきそうです。

 ただ、その展開になったとしても、新田選手よりも早く動き出しているのが郡司選手でしょう。本命は展開不問の強さとセンスを兼ね備えた郡司選手ですが、今大会での好調さが目立っている眞杉選手なら、準決勝のような捲りが決まれば、逆転も充分にあり得ると見て、予想を組み立てていきたいと思います。

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鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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