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鈴木誠のハイブリッド展望

【BNR大阪・関西万博協賛予想】4車で盤石と思われた北日本ラインはまさかの競りに! 番手でやり合う守澤と中田の前を走る新山が逃げ切りを決める!/鈴木誠の展望

2023/04/04 (火) 15:00 9

現役時代はトップ選手として長く活躍し、現在は評論家として活動する鈴木誠氏の競輪予想コラム。今回は四日市競輪場で開催されているBNR大阪・関西万博協賛の決勝レース展望です。

3車で反撃体制が整った西日本ラインは、嘉永のスピードに乗った浅井が一発を狙う!

【BNR大阪・関西万博協賛】は古性選手と郡司選手が欠場し、S級S班は新山選手と守澤選手の2名だけとなりました。

 その新山選手と守澤選手は元々の実力もさることながら、今大会は出来の良さも目立っており、揃って決勝へと進んできました。

 その2人に好調の成田選手だけでなく、庄子選手も加わったことで、北日本ラインは4車という長さに加えて、強さも増したラインを形成できています。

 決勝のメンバーを見た時には、新山選手の先行から抜け出してきそうな、守澤選手が優勝に近いのではと思いましたが、選手のコメントを聞いてビックリしました。

 北日本ラインは新山選手-守澤選手-成田選手-庄子選手の並びとなりましたが、関東の中田選手が新山選手の番手、つまり守澤選手との競りを主張したのです。

 しかも、九州では唯一の決勝進出を果たした嘉永選手は、自ら志願する形で地元中部の浅井選手を番手に付けただけでなく、3番手を近畿の渡辺選手が回り、西日本で3車のラインを形成することができました。中田選手と同じ関東の諸橋選手は単騎となっています。

 この並びとなった場合だと、スタートを取るのは嘉永選手となるでしょう。西日本ラインの後ろには単騎の諸橋選手で、北日本ラインは後方からのレース。そこに守澤選手との競りを選択した中田選手が並走する形でジャンを迎えそうです。

 スタートを取っていそうな嘉永選手ですが、後ろに浅井選手が付けてくれたと言えども、新山選手を相手に突っ張り先行はしてこないはずです。

 そうなれば、先行態勢に入っていくのは、やはり新山選手となります。注目の番手の競り合いは守澤選手の上手さが勝るでしょう。ただ、そこで守澤選手が脚を使ってしまうようだと、2日目、3日目と2週の距離を逃げ切って見せた新山選手が、ゴールまで残ってしまう可能性は充分にありそうです。

 ただ、嘉永選手が先行態勢に入った新山選手をすんなり出させないようだと、番手の浅井選手は横の動きを使いながら、北日本ラインを牽制、場合によっては分断も狙ってくるでしょう。

 また、車を下げた嘉永選手が後方から捲っていった場合でも、その勢いをもらえる浅井選手は、自らのタテ脚もそこに加えながら、ゴール前で突っ込んでくる可能性も充分にあります。

 四日市バンクは4コーナーからの見なし直線が長いだけに、ゴール前で横並びの展開となれば、番手から抜け出してくる守澤選手や浅井選手だけでなく、北日本ラインの3番手となった成田選手が、車間を割ってきたのなら高配当も期待できます。

 戦前の北日本ラインが断然のレース展開を覆すかのような、中田選手の競りというコメントには驚かされました。決して競りを得意としていないとは思いますが、コメントを出したからには意地を見せてくれるでしょう。

 関東で別線となった諸橋選手は、道中で脚を溜めながら、直線勝負にかけているはずです。渡辺選手は記念大会では久しぶりの決勝となります。様々な思いを背負いながらレースに臨むと思いますが、準決勝のように前があくことを信じて、ペダルを踏み続けてもらいたいです。

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鈴木誠のハイブリッド展望

鈴木誠

千葉県市原市出身。日本競輪学校第55期卒。千葉経大付属高校の頃から競輪に没頭し、吉井秀仁氏に師事。現役時代はすべての戦法を完璧にこなし、「本物の自在型選手」と評されるほど多彩なストロングポイントを武器に、引退するまで長きにわたってトップ選手として君臨した。現役時代は通算3058戦665勝、優勝109回(うちGIは競輪祭新人王を含め4回、GP1回)、年間賞金王1回、通算獲得賞金は17億を超える。18年7月に、ケガのため惜しまれつつ引退。引退後は選手経験を生かし、解説者として活躍。スピードチャンネルなどの番組にも出演している。

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