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前田睦生の感情移入

【ミッドナイト競輪】新しい文化となり売上も好調、創設時の合言葉は“新規のファン”

2023/03/14 (火) 12:00 20

あの鐘を鳴らしたのは小倉競輪

どうなる、アフターコロナ

 3月13日、日本政府はマスクの着用は屋内外を問わず個人の判断に委ねるとした。個別での着用場面の推奨はあるが、『やっと何かが変わる』という雰囲気が生まれている。現状、競輪界としては「5類」に引き下げる5月8日までは慎重な対応を継続することになっている。取材の規制についても、変わりはない。

 各競輪場やサテライトなどでマスク着用に関する発表も相次ぎ、『コロナの後をどうする?』が動き出している。5月8日という節目の日と、また4月の新年度入りを控えて、期待と不安が改めて入り混じる。競輪のあり方そのものとは…。

 コロナ禍にあって伸び続けたネット投票、そしてミッドナイト競輪の存在感は頼もしい限り。

 なんだか、創設時のあわただしさを思い出す。

2011年1月に小倉で始まった

長く競輪ファンでいてもらうために

 ある時期から記者席でも、深夜の競輪、すでに“ミッドナイト競輪”という言葉が出て、「こんな時間に誰が買うのか」「いや、やっぱりみんな買っちゃうよ」など、笑い話レベルではあったがよく話すようになっていた。

 九州にものすごいエネルギーを持つ職員の方がいて、それは一気に動き出した。そして多くの懐疑的な考えや予測を吹き飛ばし、成功の道を突き進んだ。

 当初は付属的な位置づけだったが「ミッドナイトで新規のファンを生んで、本場にフィードバックする」。これが合言葉のように使われていた。競輪に触れる機会の少ない層の人たちをターゲットにして、ネットの世界で競輪を知ってもらう。“そこから…”が狙いだった。

 しかし、あっという間に飛び越えて、ミッドナイト競輪そのものを楽しむ文化が生まれている。売り上げの好調さはすさまじく、また、無観客なので中継を通じてレースを見るわけだが、中継の充実ぶりがファンを満足させている。

これからの売り上げも気になる

選手の言葉の重みがある

 昨年、2022年1〜12月の車券の総売り上げは19年ぶりに1兆円を回復した。年度による数字と2つが見られるわけだが、1兆円の先があるのかどうか…。

 多くの関係者が気にしているのは、新規ファンが増えた今、何が必要なのかだ。ひとつ、大事だと思っているのは、勝者の裏には、負けた選手、勝てなかった選手がいて、その選手たちが何を考えていたのか、がファンにとって競輪を楽しむカギだということ。

 初級者から中級者へ、そして率直に書くが“死ぬまで競輪ファン”でいる上級者になってもらうために。

 先日も会社にいたら、記念の結果が載った新聞を読んだファンから「優勝した選手の話だけでなく、他の選手のコメントも知りたい」という声が届いた。それは記念決勝、GIにとどまらず、どのレースにしてもファンが感じていることだと思っている。

 “今だからこそ”を丁寧に見極める必要がある。

負けた時に、こそ


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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