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前田睦生の感情移入

【金亀杯争覇戦】脇本雄太欠場で追加参戦の松浦悠士、“ユウジとヒロト”はノリ切れるか!?

2023/03/08 (水) 12:00 18

松浦悠士が熱い“湯〜ジ”になる

脇本雄太の代わりに松浦悠士

 松山競輪場で3月9〜12日に開設73周年記念「金亀杯争覇戦(GIII)」が開催される。俄然、注目となるのは追加で参戦となった松浦悠士(32歳・広島=98期)だ。脇本雄太(33歳・福井=94期)が欠場になり、その代わりだ。松浦としては、予想していたかもしれない…。

 高知の「全日本選抜(GI)」の最中から、脇本は体を明らかに悪くしていた。4日間を走り終えても、次走予定だった今大会を走れるかは怪しい…。“脇本の代わりを”となれば松浦に声がかかることを考えたかもしれない。

 走ることへの責任感は前提だが、基本的に走ることが好きなだけに「ヨシ来た!」の思いだろう。高知での戦いを踏まえ、「これから上位戦でやっていくには」の手応えをつかみたいところ。絶好のチャンスが巡ってきた。こうしたチャンスが回ってくること、それをものにできるか、で流れは変わる。松浦にとって大きなシリーズになる。次に控える別府競輪「第7回ウィナーズカップ(GII)」もある。

 道後温泉から別府温泉へ、ここからは「松浦ホットスプリング劇場」の開幕だ。

郡司浩平と守澤太志の胸中は…

守澤太志が「thee michelle gun elephant」のギタリスト・アベフトシのようなオーラを放つ

 郡司浩平(32歳・神奈川=99期)と守澤太志(37歳・秋田=96期)からすれば、脇本の代わりで松浦…。どっちにしてもややこしいと思っているだろうか。ただし今節は正規あっせんで清水裕友(28歳・山口=105期)が入っていたので、“ユウジとヒロト”が揃う。

 やることに変わりはないだろうが、ユウジとヒロトがノってくるとビッグレースの雰囲気が変わる。高知ではノリ切れなかったが、松山ー別府でつながってくると後が怖い。豊後水道が沸騰するような戦いをユウジとヒロトが見せれば、今年…に関わってくる。

 近畿が昨年の勢いそのままで、他地区がどう近畿から主導権を奪えるか、が現在の見どころ。中四国勢に遅れは取りたくない。ムードある南関だが、郡司は根田空史(34歳・千葉=94期)の復活を支えながらのシリーズにして、流れを大きなものにしたい。自分が頑張るだけでなく、南関全体の底上げをリードしないといけない立場だ。

 守澤としては、GI優勝に届かない何かはどこにあるのかを探す旅。こうも惜しいレースが続くと、その何か、が見えないことが苦しいはずだ。松山の地で見つけることができれば、守澤の下の名前は“沸騰士(ふとし)”に変わる。入ることすら困難な秘境の激熱温泉のような存在になる。

121期ルーキーチャンピオンレース

五十嵐綾の可能性に期待!

 121期のルーキーチャンピオンレースは将来性大の9選手が揃った。未来のS班と思わせるような、スケールの大きな走りを期待したい。

 気になるのは五十嵐綾(22歳・福島=121期)で、おっ!と思ったのが昨年11月小倉の準決の走りだ。まくりで迫ってきた金野俊秋(38歳・千葉=92期)を直線でブロックして逃げ切る荒業を見せた。底知れない根性を持つ。

 早期卒業の2人、中野慎詞(23歳・岩手=121期)と太田海也(23歳・岡山=121期)はパリ五輪への挑戦の途上。3月14〜17日はエジプトのカイロで「ネーションズカップ第2戦」がある。

 新世代の勃興は競輪界の課題。121期のメンバーが、この先どうなるのか、どう変えてくれるのかを、楽しみにしてほしい。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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