2023/01/22 (日) 12:00 41
大宮競輪倉茂記念杯決勝メンバーが出揃いました。
今節は、前半2日間天候に恵まれたこともあり、大宮の500バンク特有の、「格下の選手が後ろから突っ込んで大きな配当が出る」パターンが影を潜めていましたが、3日目は冬型の気圧配置となり強い風が吹き荒れ大宮バンクの特徴が戻りました。決勝戦も寒い予報なので、後方になった選手の動向を気にしながら車券を楽しんでください。
ライン構成は以下の通りです。
②郡司浩平(神奈川・99期)ー⑨深谷知広(静岡・96期)ー⑥萩原孝之(静岡・80期)
⑤中本匠栄(熊本・97期)
⑦新山響平(青森・107期)ー③佐藤慎太郎(福島・78期)
⑧吉田有希(茨城・119期)ー①平原康多(埼玉・87期)ー④宿口陽一(埼玉・91期)
このレースのポイントは一つ。②郡司が⑨深谷を連れてどのようなレースをするかでしょう。初日特選は関東勢(1着平原、2着宿口、3着郡司)にやられましたが、決勝は奮起の再戦です。2021年の川崎全日本選抜競輪決勝、②郡司は⑨深谷の後ろで、地元GIを制覇し悲願を達成しました。深谷が先行にこだわっていた時です。
そこから郡司は、深谷の前を回ることを模索しましたが、深谷が番手を回ることはありませんでした。そして、昨年の暮れから深谷の心境に変化があった事と、郡司が「深谷に後ろを回ってもらえるような選手になる」事を考えレースに取り組んでいた歯車が噛み合います。そして満を辞して迎えた大宮記念初日、連携は失敗。私は「餅は餅屋」の言葉があるように、深谷がもっと混戦に強くならないと自在の郡司に付けきるのは難しいと思います。
ここからは深谷の努力次第ですね。そして、郡司は川崎全日本選抜を優勝した恩義がある上に、ここで先行して深谷の優勝に貢献することは彼にとってのメリットも大きいと思います。
②郡司がそう思っても、レースは相手があるので地元①平原を付けた⑧吉田も安易に捲りに構えることはないと思います。決勝は②郡司と⑧吉田の先行争いもあるのではないかと考えています。
そして⑦新山。大宮初日と年始の立川記念は戦法に迷いしか感じませんでしたが、準決勝は捲って1着と捲りに自信を深めたのでは…と思います。決勝は無理に先行争いせず、捲って優勝を狙うと考えました。
初手は、自らもゴール勝負できる位置から仕掛けようと思う②郡司が前受け。中団から主導権を取りたい⑧吉田、一度動いて関東勢の後ろを取りたい⑦新山が後攻めと考えます。
S.②⑨⑥ ⑧①④ ⑦③ ⑤
←②⑨⑥
H.⑧①④ ⑤ ⑦③
⑧吉田も強いので、②郡司は簡単に出られないため最終バックは混戦が予想されます。例え②郡司が先頭に立っても⑨深谷が付いているかどうかは疑問ですね。①平原に捌かれているかもしれません。
←⑦③
⑨⑥
B ② ①④ ⑤
⑧
脚を溜める⑦新山が優勝に近いと考えました。③慎太郎が付け切れないことも想定します。
・狙い目
7ー3=1
7ー3ー5
7ー1ー45
位置取りに課題がある⑦新山にはいい勝ち方ではありませんが、S班の成績を求めると捲り狙いもあると考えています。
山口幸二
Yamaguchi Kouji
岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。