閉じる
伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【たちあおい賞争奪戦予想】強気なレースを貫く深谷、新山、眞杉の位置取り、攻防を読み解く/ ヤマコウ展望

2025/02/16 (日) 06:55 36

KEIRINグランプリ二度制覇!“ヤマコウ”の愛称で知られる山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 静岡競輪開設72周年記念たちあおい賞争奪戦GIII、決勝メンバーが決まりました。

①深谷知広(静岡・96期)ー⑨岩本俊介(千葉・94期)
③眞杉匠(栃木・113期)ー⑦坂井洋(栃木・115期)
⑤新山響平(青森・107期)ー④浅井康太(三重・90期)
⑧嘉永泰斗(熊本・113期)ー②荒井崇博(長崎・82期)
⑥河端朋之(岡山・95期)

 ラインが4つ、単騎選手が1人のライン構成で、好調選手が勝ち上がりました。期待されるのが地元の①深谷知広です。初日特選は「本調子ではないのかな?」と思いましたが、2次予選はそれを払拭するレース内容でした。前受けして浮島知稀(群馬・123期)を突っ張り、他のラインに主導権を取らせません。格下の自力選手ばかりだったので、引いてカマシを想定していましたが、深谷は強気なレースを貫きました。突っ張り先行で番手の岡村潤(静岡・86期)が全く詰め寄ることがでず、上がりタイムも11秒4。その前のレースで6番手捲りを決めた新山が11秒3だったので深谷の先行は力強いですね。

深谷知広
深谷知広(写真提供:チャリロト)

 準決勝は2車ということもあって無理せず一旦8番手まで引きます。しかし、それからが強気な攻めでした。休むことなく打鐘前に仕掛けて後藤大輝(福岡・121期)をホーム過ぎに捕らえます。後藤の先行力を考えるとひとまず休みたかったはず。そうなると今度は松浦悠士(広島・98期)が前にいるので外を回らされて苦しいレースになるという判断だったのでしょう。岩本に差されたとはいえ場数が違うと感じました。決勝は③眞杉、⑤新山、⑧嘉永と仕掛け損じない選手が多く、位置取りも考えないと厳しいレースになります。

 調子の面でいうなら③眞杉も文句ありません。初日特選、新山の3番手を取りながら、ホームで緩んだところをすかさず逃さず叩きます。新山は意表を突かれた感じで踏み直すも挽回できず7着。1ヶ月ぶりのレースとは思えない眞杉のレース勘でした。準決勝も立ち遅れた浅井康太(三重・90期)の隙を逃さず藤井侑吾(愛知・115期)の番手を奪い2角捲り。踏めば踏むほど加速する姿は、あっせん停止中の練習の成果を感じました。

眞杉匠
眞杉匠(写真提供:チャリロト)

 さて、決勝はどんな展開になるでしょう。①深谷が優勝するには脚を貯めて一発ドカン!ですが、そこにこだわると力を出しきれずに終わります。最終ホームで3番手を回れるかどうかが大切ですね。そのためには前を取ると不利になので、初手3番手が理想です。どの自力選手も前受けを苦にしませんが、⑤新山に前を取られると、後攻めになるのは③眞杉ラインです。易々と新山に突っ張られる組み立てはしたくない。ここは③眞杉を前で考えます。

S.③⑦ ①⑨ ⑧② ⑤④ ⑥

 ③眞杉は⑤新山以外なら出させないと思います。一度踏んで⑤新山を迎え入れると読みます。

H.⑤④ ③⑦ ①⑨ ⑧② ⑥

 ①深谷は最終ホーム5番手、ここから③眞杉の動きを見て仕掛けたいところ。⑤新山も初日特選で③眞杉に叩かれたので流すポイントが難しいでしょう。ここの優勝を狙うなら③眞杉はフリができてます。しかし、ここは全日本選抜競輪に向けての開催なので、無理に仕掛けると思いました。

 ←③⑦ ①⑨ ⑧② ⑥
B.⑤④

 優勝は⑤新山と③眞杉がやり合って①深谷と考えます。その時は番手戦も板に付いてきた⑨岩本の差し目も欲しいですね。

【狙い目】

1=9ー782
1=3-974

 別線は③眞杉からです。

3=7-421

 ①深谷に⑤新山や③眞杉と先行争いをする意義はありません。世代が下の両者の走りを俯瞰して見ることができ、なお且つ地元で優勝だけを狙える立ち位置です。さてどんなレースになるのでしょう。

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

伝説ヤマコウ 炎のレース展望

山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

閉じる

山口幸二コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票