閉じる
伝説ヤマコウ 炎のレース展望

【蒲生氏郷杯王座競輪予想】 ターニングポイントだった18年のオールスター「GIIIは力でねじ伏せる」古性の位置取りを読み解く/ ヤマコウ展望

2025/01/26 (日) 12:00 18

KEIRINグランプリ二度制覇!“ヤマコウ”の愛称で知られる山口幸二さんの予想コラム。元トップレーサーならではの鋭い読みは必見です。

 松阪競輪開設74周年記念蒲生氏郷杯王座競輪GIII決勝メンバーが出揃いました。メンバー、ライン構成は以下の通り。

①古性優作(大阪・100期)ー⑧岩津裕介(岡山・87期)
②浅井康太(三重・90期)
③深谷知広(静岡・96期)ー⑨郡司浩平(神奈川・99期)ー⑦岩本俊介(千葉・94期)
④山田庸平(佐賀・94期)ー⑥小川勇介(福岡・90期)
⑤佐藤慎太郎(福島・78期)

 ①古性の後ろは⑧岩津が回ります。中部近畿はラインを組むことは多いですが別線で戦うことは、私はそれもありだと思っています。古性には古性の考え方があり、それは浅井も同じ。突き詰めれば100人いたら100通りの考えがあります。プロとして走っている以上、勝ちを目指すために走っているので枠にはめる必要はないと思います。

 地元の浅井は、準決勝の厳しい展開を凌ぎました。前受けした村田祐樹(富山・121期)を、後攻めの山本直(岡山・101期)が抑えにきて、悩みながらも山本ラインを受け入れます。そこを新村穣(神奈川・119期)がかまし浅井は最終ホーム8番手。番手から岩本俊介(千葉・94期)が出る展開となりました。捲り上げる村田に乗って岩津の後ろに切り替えなんとか3着に入り、会見場に現れ開口一番「やった方でしょう!」とホッとした表情で場を和ませました。「村田には『引く展開になったら慌てず自分のタイミングで仕掛けるように』とだけは言ってました」と振り返ります。決勝は単騎で脚を溜めてコースを見極めたいところですが、運任せのところはありますね。

浅井康太
浅井康太(撮影:北山宏一)

 本線になる古性優作が「ある選手をイメージして仕掛けた」と2次予選の後に話していました。「誰かは言えないけど…」と名前はあげませんでしたが、私は脇本雄太ではないかと思っています。脇本の番手で優勝したKEIRINグランプリ2024は、脇本の凄さをインタビューで語り彼自身の刺激にもなったように思います。北井佑季が一瞬ペースを緩めたところを叩いて先行。あの仕掛けは「すごい…」と誰もが思いました。脇本の加速はFIマシンのようだと選手は言っています。分かって踏んでもそれ以上の加速で前に行ってしまう。今の古性があるのは2018年いわき平オールスター競輪で脇本の番手で離れたことから始まります。そこから自分のトレーニングなどを見直し、2021年のいわき平オールスターで脇本を差して優勝を飾ることができました。そこから古性は「脇本を差す」ことから、「どれだけ自力でラインを連れて行けるか」と志が変わりました。その過程があっての昨年のグランプリ。今節の古性はスピードが乗るまでに時間が掛かっていますが「乗ってしまえば問題ない」と、トップスピードに不安はなさそうです。ただ今後のGIを見据えた場合、GIIIは力でねじ伏せるレースがしたいが故の発言だったのでしょう。

古性優作
古性優作(撮影:北山宏一)

 決勝はどのように組み立てるのか。先手は③深谷が有力で初日特選は⑨郡司に併せられました。もしかしたら深谷の後ろを捌くことも考えているのではないでしょうか。前受けは初日同様④山田で考え、中団は①古性ライン、単騎の②浅井、⑤佐藤が続いて後攻めが③深谷です。

S.④⑥ ①⑧ ② ⑤ ③⑨⑦

 後ろの動きに併せて①古性がどう動くのかが最初のポイントです。動けば⑨郡司のところに粘ることもあると思います。動かなければ③深谷をかます展開になり⑨郡司が有利ですね。今節の①古性のダッシュ力を考えるとスピードをあげて飛び付く方で考えます。

H.←③⑨⑦
   ①⑧ ② ⑤ ④⑥


   ⑨⑦
B.③ ①⑧ ② ⑤ ④⑥


 この展開を作れたら①古性が優勝に近いですね。

【狙い目】

1ー8=23

1ー8ー549

一流選手は地元に強いので②浅井も狙います。

2ー13ー13549

 今開催は⑨郡司と①古性が抜けた存在です。どういう走りをするか今年を占う一戦になりそうです。

このコラムをお気に入り登録する

お気に入り登録済み

バックナンバーを見る

質問募集

このコラムでは、ユーザーからの質問を募集しております。
あなたからコラムニストへの「ぜひ聞きたい!」という質問をお待ちしております。

伝説ヤマコウ 炎のレース展望

山口幸二

Yamaguchi Kouji

岐阜県大垣市出身。日本競輪学校62期卒業の元競輪選手。1988年9月に大垣競輪場でデビュー、初勝利。1998年のオールスター競輪で完全優勝、同年のKEIRINグランプリ'98覇者となる。2008年には選手会岐阜支部の支部長に就任し、公務をこなしながらレースに励む。2011年、KEIRINグランプリ2011に出場。大会最年長の43歳で、13年ぶり2度目のグランプリ制覇を果たし、賞金王も獲得した。2012年12月に選手を引退、現在は競輪解説者としてレース解説、コラム執筆など幅広く活動する。父・山口啓は元競輪選手であり、弟の山口富生(68期)、息子の山口聖矢(115期)・山口拳矢(117期)は現役で活躍中。

閉じる

山口幸二コラム一覧

新着コラム

ニュース&コラムを探す

検索する
投票