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前田睦生の感情移入

【鳳凰賞典レース】立川記念が占う今年のKEIRINグランプリメンバー、14回目に挑む平原康多

2023/01/03 (火) 12:00 20

2022年は雪の立川記念だった

年始の風物詩

 2023年も1月4日から立川競輪の開設周年記念「鳳凰賞典レース(GIII)」がグレードレースの始まりを担う。昨年は準決の時の大雪が“立川らしさ”を見せ、選手たちは大変だったと思うが、見応え十分だった。過酷な一年のスタートがある。

 終わったばかりの「KEIRINグランプリ2022」から、「KEIRINグランプリ2023」へ。今年のグランプリ開催場は立川だ。この大会で誰が、どの地区が流れを掴むのか。とにかく、気が早る。昨年大会の優勝者は吉田拓矢(27歳・茨城=107期)で、平原康多(40歳・埼玉=87期)は二次予選で不運な落車に終わった。

 吉田は平原がいなくなった分、「関東を」の思いを胸にして優勝へたどり着いた。ただしその後、昨年通しては期待された成長、走りを見せることは、はっきりいってできなかった。平原は落車やケガを抱えながらも、変わらぬ一年の戦いぶりを見せた。吉田が平原に近づくことができるか、シリーズの中で示してほしい。

平原康多、14回目の挑戦を目指す

昨年は少し寝ぐせ模様の平原康多だった

 平原は昨年の平塚大会が13回目のグランプリ出場で、またしても優勝には手が届かなかった。脇本雄太(33歳・福井=94期)の強さ、あの仕掛け、また松浦悠士(32歳・広島=98期)の競輪満開の走り…などについては、次回のコラムで書きたいと思う。

 とにかくずっと平原はグランプリと立川記念、大宮記念という舞台を何年も走り続けている。背負っているものの大きさは、もはや誰にもわからないかもしれない。滅多な素振りは見せない男なので、ただひたすら「今年も頑張ってほしい」と願うのみだ。

 今、何を考えているのかは立川の取材から伺いたいが、まずはグランプリで見せたワッキーの強さに対し、自分がどうあればよいか、だと思う。

 つまりは「今年も進化」を求めるのみ。変わらない平原の戦いは2023年も、そうだと思う。

年末に会いたい清水裕友と北津留翼

優勝した吉田拓矢(右)を称える清水裕友

 平原、そして郡司浩平(32歳・神奈川=99期)と北日本の佐藤慎太郎(46歳・福島=78期)、新田祐大(36歳・福島=90期)、新山響平(29歳・青森=107期)とS班が5人。そして、S班陥落後、打倒上位の立場になる清水裕友(28歳・山口=105期)の名前に目が行く。

 清水はこの一年、何を見せてくれるだろうか。『猪突猛進のコラム』で書いていたように「上位陣を食う」戦いになる。「やりゃいいんでしょ」。乱暴に攻め立て、好きなように走るだけ。しかし、それが楽しみだ。

 4月26日には38歳になる北津留翼(37歳・福岡=90期)も脚力では誰にも負けていない。年を重ねるほどに可愛さを増す稀有なオジサン。もう、一度でいいからグランプリを走るところを見たい。それに、前夜祭ではにかんでいるところを見たい。

 コロナで前夜祭も開けず、共同会見も正直言って悲しいレベルだ。翼の笑顔が、みんなが失った時間を取り返してくれると思う。12月30日の立川グランプリに向かって。今年のテーマは「失われた時を求めて」だ。

 マルガオ・プリン体……じゃなく、マルセル・プルーストになったつもりで、この一年を過ごしていこう。

北津留翼は2017年大会の覇者


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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