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前田睦生の感情移入

【寬仁親王牌】平原康多が望む関東の時代は来るか…そして迫られる制度変更

2022/10/19 (水) 12:00 33

脇本雄太は不在

求められる制度設計の再考

 前橋競輪場で「寬仁親王牌・世界選手権記念トーナメント(GI)」が20日に開幕する。脇本雄太(33歳・福井=94期)と深谷知広(32歳・静岡=96期)がいない今大会。まず基本的に地区プロに出場できないと、出場権を得られない。

 ケガや病気によるケースで発生しやすいのだが、GIである以上、選考要件の見直しは必要だろう。かつてのように世界選手権への道が地区プロ→全プロとあるわけでなく、根本的に流れが違う。ガールズケイリンが今、ガールズグランプリを頂点にしたドラマ性を打ち出そうとしているので、男子の方ももう一度、一年間のドラマに基づくものを再構築してほしい。

 ダービーの話に飛ぶが、開催月が5月になったことにより、現在の選考期間は2月から翌年の1月。以前は開催月が3月で、1〜12月が選考期間だった。

ダービーだけは、1〜12月と前年一年間の戦いで評価する方がすっきりすると思う。

平原康多が思い描く時が来るか

平原康多の願う時が…

 今回のメンバー構成での注目は、“関東が時代を築けるか”だ。脇本と古性優作(32歳・大阪=100期)が今年のGI4つの内、2つずつを分け合っている。近畿席巻イヤーとなっているものの、選手の層が厚みを増した関東の時代が来ておかしくない。

 もどかしい思いをしているのは平原康多(40歳・埼玉=87期)だろう。
 早くから「俺はもう脇役になりたい」と口にしていた。この言葉は、後を託せる世代が育っている実感があってこそ。彼らの中にいて、勝負を続けたいという思いが込められている。

 随所にその可能性を見せ、扉を開けそうな今年。今回、関東の若手を中心にシリーズを盛り上げられるか、に注目だ。眞杉匠(23歳・栃木=113期)や坂井洋(27歳・栃木=115期)、そして吉田有希(21歳・茨城=119期)らが平原から押し切って勝ち、決勝へ平原を連れていく、くらいのインパクトが欲しい。(平原はまったくもって強いから差しそうだけど…)

近畿勢の思い

古性優作は何を語る

 古性は何を思っているか…。すべてにおいて心酔していた村上義弘氏(引退=73期)がいなくなった近畿。どんな言葉で今までとこれからを語るのか、前検日を待とう。

 また稲垣裕之(45歳・京都=86期)と山田久徳(35歳・京都=93期)の京都勢。大きすぎる存在を失って、彼らの中に何が残り、何が生まれるのか。村上さん、に見てもらいたい走り、笑顔になってもらえる走り、うなずいてもらえる走り…。

 KEIRINグランプリの賞金争いのことももちろんある。話題の多い開催になりそうだ。


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前田睦生

Maeda Mutuo

鹿児島県生まれ。2006年東京スポーツ新聞社入社、競輪担当として幅広く取材。現場取材から得たニュース(テキスト/Youtube動画)を発信する傍ら、予想系番組やイベントに出演。頭髪は短くしているだけで、毛根は生きている。

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